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【2024年版】J-STAGEの使い方 無料機能から文献管理効率化まで 

日本の学術記事や論文を発信するオンラインプラットフォーム「J-STAGE」の使い方について、詳しく解説します。主な特徴のほかアカウント登録から有料記事閲覧方法まで、さらに同じ日本の論文データベースである「CiNii」との違いなどについてもまとめました。

論文・レポート執筆のほか、企業での調査研究や、高品質で専門的なコンテンツ制作に携わる人なども、ぜひ活用してください。

▼この記事はこんな人におすすめ

  • J-STAGEから自分の研究テーマに直接関連する論文を効率的に見つけ出したい
  • J-STAGEに登録されている論文や学術記事を、自分の仕事や活動に生かしたい

※本文中の説明はすべて【2024年2月現在】の情報に基づきます。論文数や機能・画面仕様などは最新情報とは異なる可能性があります。正しい情報は必ずJ-STAGEで確認してください。

1. J-STAGEとは?

まずは「J-STAGE(ジェイステージ)」とは何か、再確認しておきましょう。

1-1.J-STAGEの概要

J-STAGEは、日本の科学技術情報を発信するためのオンラインプラットフォームです。1999年に運用が開始されました。

現在25の分野、560万本以上の学術記事や論文を網羅しており、利用者は無料でこれらにアクセスできます。現在、研究者だけでなく、教育関係者や一般の人々にも広く利用されています。

1-2.J-STAGEの運営元と目的

J-STAGEを運営している機関は、文部科学省所管の「国立研究開発法人科学技術振興機構(通称・JST)」です。「日本の研究成果を国内外に広く発信・流通し、学術コミュニケーションの促進と研究活動の支援を行うこと」を主な目的にしています。

1-3.CiNiiとの違い

J-STAGEと並ぶ国内論文データベース・サービスの1つに「CiNii(サイニィ)」があります。CiNiiを運営するのは「国立情報学研究所(NII)」で、大学の枠を超えた大量の学術データや資料、分析方法や大型装置などを研究者へ無償提供する「大学共同利用機関」です。

J-STAGEが主に日本の科学技術関連の学術論文を公開しているのに対し、CiNiiは文学や社会科学を含む多岐にわたる分野の学術論文をカバーしています。

2. J-STAGEの主な特徴

次にJ-STAGEの主な特徴について説明しましょう。

2-1.学術資料の種類と範囲

J-STAGE上に存在する学術資料の種類と範囲については、以下の通りです。

  • 種類:主に科学技術分野に関する学術論文で、短報・会議録なども含む
  • 範囲:物理学、化学、生物学、工学、医学など、幅広い科学技術分野をカバー
  • 公開形式:主にPDF形式、一部HTML形式もあり

2-2.利用可能なコンテンツ(無料・有料)

ほとんどのコンテンツが無料で利用可能です。一部の論文や資料には有料のものも存在し、主に特定の学会や出版社が管理。有料コンテンツの購読方法については後述します。

研究者だけでなく学生やその分野に関心のある一般の人々も、基本無料で最新の研究結果や学術情報にアクセス可能です。

3. J-STAGEの使い方

続いてJ-STAGEの具体的な使い方について、順を追って説明しましょう。必ずしもアカウントを作成しなくても利用可能ですが、フル活用したい場合はぜひアカウントを取得しましょう。

3-1.アカウント作成とログイン

J-STAGEでは個人アカウントを「My J-STAGE ID」、これを入力する行為を「サインイン」と呼びます。PC版では未登録者向けTOPページの右下に表示されるポップアップから新規登録が可能です。仮登録に必要な情報は以下の5つです。

  1. 希望するMy J-STAGEのID(英数字または記号(+、-、=、_)を含む6~16文字)
  2. メールアドレス
  3. 秘密の質問の質問と回答(内容は任意、かな表記等の制限なし)
  4. 画面に表示された文字例の入力(ユーザーの非ロボット認証)
  5. 利用規約への同意

なお、メールアドレス以外の個人情報の入力は不要です。

すべての入力項目を埋め、登録ボタンを押すと仮登録完了のメールが送信されます。届いたメール内のURLをクリックし、メール内に記載されている仮パスワードをブラウザに入力することで、初回サインインが完了します。

3-2.基本的な検索方法

トップページにある検索バーにキーワードを入力し「検索」ボタンをクリックするだけで、関連する学術資料を瞬時に見つけることができます。

また特定のキーワードを含む論文を探している場合、J-STAGEを経由せず一般的な検索ページから「論文」や「研究」などの単語を追加して検索すると、J-STAGE上の文書が上位表示されることもあります。

3-3.詳細検索のコツ

さらに詳細な検索を行いたい場合は、「検索条件の詳細設定」から、論文タイトル、抄録、キーワードなど、さまざまな条件を指定して絞り込み検索ができます。また言語(日本語/英語)、資料種別、査読の有無等での絞り込みも可能です。

詳細検索では目当ての論文を効率的に見つけるため、以下のポイントに注意してください。

  • 著者名の正確な表記に気をつける
  • 複数の著者がいる場合は全員の名前を入力する
  • 発行年を指定する

ただし認証がかかっている記事の閲覧には、My J-STAGEとは異なる購読者番号が要求されます。取得方法については第5章で言及します。

4. 論文の閲覧とメタデータの活用方法

続いて論文の閲覧とダウンロードのやり方を説明しましょう。

4-1. PDF閲覧の手順

検索等で目当ての論文のページにたどり着いたら、「PDFをダウンロード」というボタンをクリックしましょう。PDFファイルがブラウザ上で開かれ、閲覧やダウンロードが可能になります。

4-2.論文メタデータの活用方法

J-STAGEは論文の閲覧だけでなく、その論文に関する基本情報(メタデータ)をダウンロードできる機能を備えています。メタデータには多くの場合、論文タイトル、著者名、発行日、掲載ジャーナル名、巻号、ページ数、DOI(デジタルオブジェクト識別子)、キーワードなどが含まれます。

メタデータは「RIS形式」と「BibTeX形式」に対応。これを文献管理ソフトや文書作成システムに取り込むと、文献情報管理や論文への引用処理の自動化が可能になり、研究者の作業負担を軽減します。

・RIS形式(連携先:EndNote、Reference Manager、ProCite、RefWorksなど)

・BibTeX形式(連携先:BibDesk、LaTeXなど)

5. 「My J-STAGE」の便利な使い方

アカウントを作成すると「My J-STAGE」の機能が使えるようになります。ここではMy J-STAGEの4つのポイントについて解説していきましょう。

5-1.お気に入り登録の方法

閲覧中の論文ページにある「お気に入りに追加」ボタンをクリックすれば、後から簡単にその論文にアクセスできるようになります。お気に入りリストは、My J-STAGEの「お気に入りを管理」からいつでも確認できます。

5-2.アラート機能の設定

My J-STAGEのアラート機能を活用すると、興味のある分野やキーワード、著者名に基づく公開論文の情報を、いち早くメールで受け取ることができます。お気に入りに追加するのと同時に、チェックボックスにチェックを入れるだけで管理できるようになっています。最新の研究動向を逃さずに追いかけることができ、研究や情報収集の効率が大きく向上する便利な機能です。

アラートには以下の3種類があります。

①追加情報アラート

 登録した論文に追加や修正があった場合に知らせる機能

②被引用アラート

 登録した論文が引用された別の論文が発表された場合に知らせる機能

③認証解除アラート

 有料論文が無料公開された場合に知らせる機能

5-3.認証付き記事のアクセス方法

多くの論文や記事は無料で閲覧可能ですが、一部、発表者がIDとパスワードの入力を求める「認証付き(アクセス制限)記事」が存在します。

「購読者番号でサインイン」のページで使うIDとパスワードは、My J-STAGEのID・パスワードとは別物で、記事を掲載しているジャーナルの発行機関が管理するものであることに注意が必要です。

5-4.有料(PPV)記事のアクセス方法

さらに一部には購入記事も存在します。有料記事へのアクセス方法には、主に2つのルートがあります。

まずユーザーが所属する学術・研究機関がJ-STAGEと契約を結んでいる場合、その機関から提供されるIDとパスワードを使用すると、目的の記事にアクセスできます。

または個人ユーザーが直接アクセスを希望する場合は「ペイ・パー・ビュー(PPV)」方式を選んでください。記事をカートに入れてクレジットカード決済すればOKです。

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