- オンライン学会ってなに?
- オンライン学会はどうやって開催するの?
- オンライン学会の運営を成功させるポイントが知りたい
この記事ではそのようなお悩みを持つあなたに、「オンライン学会(WEB学会)とはなにか」といった基礎知識からメリットデメリットや成功のためのポイントをお伝えいたします。
オンライン学会とは、開催場所を現地からオンラインに移行してライブ配信などを行う学会です。
オンライン限定ではなく、現地開催とオンラインを同時に行う「ハイブリッド開催」や動画をアップロードして活用いただく「オンデマンド配信」なども考えられます。
これまで、学会は会場に行かないと参加できませんでしたが、オンライン学会だと場所を選ばず、気軽に参加できます。
しかし、慣れていないオンラインだと「どうやって進めればいいの?」「トラブルは大丈夫?」「みんなが集中してくれるかな?」などの新しい悩みも出てきているかと思います。
この記事では、オンライン学会の基本や進め方、困ったときの解決法などをわかりやすく説明します。
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オンライン学会(WEB学会)とは
オンライン学会とは、現地で行われていた学会をオンライン上に移行して行われる学会です。
学会においてその利用はさまざまです。
- オンライン会議ツール(Zoomなど)を使用してライブ配信だけを行う
- 現地開催とその様子をライブ配信の両方を行う
- 現地開催のような様子をライブ配信だけで提供する
少し出すだけでも上記のようなケースが想定されます。
どのようなケースにおいても、インターネットを活用した学会となるため、場所の制約を受けにくいことが特徴です。
当記事をご覧になられているあなたは、学会は登壇者および参加者問わず、お忙しい方が多いことをご理解されているかと思います。
場所を選ばないということは、どこからでも参加することができます。それはつまり勤務先や海外など、急に離れることができない場所からでも視聴するための端末さえあれば参加することができます。
近年はZoomなどのオンライン会議ツールが便利になってきたことで、オンライン上で開催しやすくなったうえに参加者も受け入れやすくなりつつあります。
一方で、まだまだオンラインやインターネットの活用に慣れていない方も多いのも現実です。そのような方には考えられるトラブルやリスクを深く想定することが大事です。
オンライン学会はパソコンやスマートフォンを活用する特徴もあるため、それら端末が持つ録画機能などを活用して、後日インターネット上に公開することもできます。
録画機能も活用すれば、場所だけでなく視聴する時間も自由になるため、より多くの人が学術情報を手に入れられ、知識の共有がより手軽かつ効率的になります
別途告知は必要となりますが、世界各地からの参加を呼びかけることもオンライン学会だと実現できるでしょう。
ぜひ検討してみてください。
オンライン学会のメリット
オンライン学会のメリットは大きく分類すると以下の通りです。
- 主催者・参加者ともにコスト削減が期待できる
- 参加者がどこからでも参加できる
- 会場の人数制限に縛られない
主催者・参加者ともにコスト削減が期待できる
オンライン学会にすることで、遠隔地からでも参加できるようになります。
これまで北海道にお住まいだった方が東京へ出張となると、移動費や宿泊費もかなり必要となります。
2回3回と必要だった出張の回数を1回に減らすことができるかもしれません。それは大きなコスト削減につながることご理解いただけるかと思います。
主催者においても、会場や設備費用の削減ができるかもしれません。
参加者がどこからでも参加できる
参加者がどこからでも参加できるのはオンライン学会の大きなメリットです。
職場や出張先だけでなく、これまで距離がありすぎて参加できなかった海外の方などにも案内をしやすくなります。
海外の方も含めて告知される場合は、参加者同士が交流できる時間や施策を準備しておくことで参加者の満足度を高めることができるでしょう。
会場の人数制限に縛られない
現地開催とオンライン学会に分散されることで、現地の参加者がオンラインに移行することが考えられます。
その結果、会場の人数制限に縛られることなく、これまでよりも小規模の会場の準備だけで足りるようになる可能性があります。
また、配信ツールを利用するため、より多くの視聴者を呼び込むことができます。
これまで会場の人数上限に悩まれていた方は特にオンライン学会のメリットを受けられるかと思います。
ただし、配信するツールによっては参加上限があったり、参加者に応じて課金額が変動するものがあるため、確認するようにしましょう。
オンライン学会のデメリット
オンライン学会のメリットは大きく分類すると以下の通りです。
- 参加者や登壇者同士の交流が制限される
- 技術の習得が難しい
- 参加者の集中力の低下
参加者や登壇者同士の交流が制限される
学会は研究成果の発表等だけでなく、参加者や登壇者同士のコミュニケーションが重要であることは承知していただいているかと思います。
オンライン学会では気軽な交流がしにくい関係上、対面での学会のように参加者同士が自然に交流する機会が減少する傾向にあります。
新しいコラボレーションの機会を探している研究者の場合、交流ができないと参加意義が薄れてしまうことが懸念されます。
そのため、オンライン学会では、計画的かつ意図的にネットワーキングの機会を設ける必要があります。
明確な交流時間を設けて、オンライン上の参加者が交流しやすい施策を取り入れるようにしましょう。
技術やトラブルなどの問題
オンライン学会では、インターネットやパソコンなど端末を活用する関係上、接続不良やシステムのバグ、プラットフォームの不具合などのトラブルが発生する可能性があります。
これらの問題が学会中に発生すると、発表者や登壇者にストレスを与えてしまうことになります。
適切なタイムスケジュールや事前の操作方法の確認、トラブル発生時の対処については必ず準備しておきましょう。
集中力の低下
オンラインでの参加は、多くの誘惑や邪魔があるため、集中力が現地参加に比べて途切れやすい傾向にあります。
特に仕事の関係上で遠隔地から参加される場合は、仕事に関係する呼び出しやSNSの通知などが学会への意欲的な参加を阻むものとなります。
主催者は参加者が集中できる環境を提供し、参加者自身も自己管理が求められます。
意欲的に参加いただくために、即時性のあるアンケートや質疑応答を挟むなど、現地開催より意識的に集中いただくための取り組みを取り入れると良いでしょう。
オンライン学会の形式
オンライン学会の形式は主に3つあります。
- ハイブリッド配信:現地参加とオンライン配信(ライブ配信)を同時に行う
- オンデマンド配信:参加者に講演の録画動画を提供する
- フルリモート配信:オンライン配信(ライブ配信)のみ行う
「ハイブリッド配信とオンデマンド配信」「フルリモート配信とオンデマンド配信」これらをセットで行うこともできます。
- 現地のセミナーを録画して、後日にアップロード配信する
- 事前に登壇者・発表者のみの発表を録画して、参加者だけに視聴いただく
どちらもYouTubeの限定URL機能などで実現可能です。ただし、URLを流出されると参加者以外も視聴できたりするため、実現方法はリスクに応じて検討する必要があります。
ハイブリッド配信については以下の記事でより深く解説しております。合わせてご確認ください。
【完全版】セミナーのハイブリッド開催を完全解説 メリットや費用、やり方など
オンライン学会運営の重要ポイント
(開催前)機材やツールの選定を早めに行う
成功のため、というよりは失敗しないためのポイントですが、機材やツールの選定と準備は想像より早めに行うことが大事です。
特にオンラインの開催に慣れていない場合だと、実際にテスト段階になって「カメラもう1台必要かも!」「思ったより暗く映る」といった不具合に気づくことも多いです。
そのため、最初の段階で必要な機材を洗い出して置くことはもちろん、早めに準備をして追加や変更が発生した場合でも余裕を持って対応できるようにしておきましょう。
意識せずギリギリで機材の準備をすることになると、足りずに慌てることになるケースが非常に多いです。ご注意ください。
(開催前)視聴者が集中できる施策を考える
デメリットの項目でもお伝えしましたが、リモートでの開催は参加者の集中力が散漫になる可能性があります。
仕事などお忙しい方も多いため、100%学会に注視していただくことは難しいとしても、単純な注意力散漫は極力減らしたいことかと思います。
集中してもらうためには、適宜アンケートを挟んだり、チャットの活用を促して積極的な質問や会話ができるようにするなどの対応が必要です。
これらは現地開催のみで行っていた場合からの追加となるため、特に意識して施策を考える必要があります。
最初は準備だけで大変なこと承知しておりますので、どうしても難しい場合は2回目3回目と開催する際に意識してみてください。
参加者の集中力も意識した開催により満足度の高いオンライン学会になるでしょう。
(開催前)トラブル対応や操作確認などの準備
慣れていないオンライン開催は高確率で何かしらの問題が発生します。
操作方法を確認していなかった、リハーサルをしていなかったという、少し対応すればスムーズに進められるケースも少なくありません。
特に機材やツールの操作方法は極力実際に操作して確認するようにしましょう。
また、リハーサルなどで遭遇したトラブルはできるだけ誰でも対応できるように、理解している分だけでもマニュアル化するようにしましょう。
当日は対応人数も状況も限られるため、担当者が一時的にもいなくてオンライン学会が中断するなんてことにならないよう事前の準備が大切です。
(開催前)参加申し込みから当日までの対応
慣れていないオンライン学会主催において、当日までの準備だけでも大変です。一方で参加者も慣れていない方も多く、適切な対応が必要です。
- 参加申し込み手順
- 当日の進行
- ツールの利用方法
これらについてはトラブルになりやすい項目です。
説明資料や案内、Webページを用意するだけでなく、参加者が疑問に感じた時に気軽に問い合わせできるような動線を準備しておくこともおすすめです。
(開催中)適切な時間管理と進行
当日は、厳密な時間管理と進行が求められます。各セッションの開始・終了時間を守り、参加者が予定通りに学会を楽しめるようにしましょう。
また、開催中に機材のトラブルが発生することも考えられます。
事前に対応方針を明確にしておくことで、参加者や登壇者どちらに対しても安心感を与えることができます。
(開催後)評価とフィードバックの収集
初めてのオンライン学会により改善点など感じられることがあるかと思います。
次回以降より良いものとするためにも、オンライン学会終了後は参加者や登壇者から評価およびフィードバックを収集しましょう。
シンプルなものはアンケートです。「学会の満足度」「不便や不満点はなかったか」この2点を伺うのはおすすめです。
アンケートは内部での改善に使用するだけでなく、満足度が高ければ告知時の訴求に使用することもできます。(例:満足度90%以上など)
この辺りはより認知を獲得するためのマーケティングになりますので今後別項目でお伝えさせていただければと思います。
まずは正直な意見を求め、学会の質の向上を目指しましょう。
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オンライン学会は現地のみ開催と比較しても、必要な機材やスタッフに変化があり、慣れていないと本来の学会運営が疎かになるリスクがあります。
ただ、オンライン学会を安定して開催できるようになると、多くの参加者を獲得したり、満足度を発生させることができるため、挑戦する価値は大変高いです。
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