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【研究者向け】論文をJ-STAGEで公開すると何が便利? 学会誌・学術雑誌の掲載メリットは

J-STAGEは、日本の論文プラットフォームです。検索結果からワンストップで本文の閲覧までできるのが特徴です。学会誌やジャーナルを公開すれば、研究成果の普及を効率化でき、国際的な認知度向上にも寄与します。

本記事では、J-STAGEへ論文を掲載するまでの手順や公開メリット、押さえておきたい便利な機能について詳しく解説します。

※本文中の説明はすべて2024年8月現在の情報に基づきます。機能・画面仕様などは最新情報とは異なる可能性があります。正しい情報は必ずJ-STAGEで確認してください。

1. J-STAGEへ初めて論文を掲載するプロセス

まずは初めてJ-STAGEへ論文を掲載するプロセスについて、4段階で説明しましょう。

1-1.[ユーザー側]申請手続きの流れ

まず、学会誌や学術雑誌の単位でJ-STAGEへサービス利用を申し込みましょう。資格や条件が定められているため、事前に必ずチェックしてください。確認後、申請手続きを行います。具体的な手順は以下の通りです。

  1. 「利用申込シート」をダウンロードし、記入
  2. 審査に必要な書類を作成
  3. 作成した資料をアップロード
  4. 見本誌を郵送
  5. 審査通過で送付される「J-STAGEサービス利用申請書」を提出
  6. 学会誌や学術雑誌ごとのサイト構築後、初回公開に向け情報を入力

1-2.[ユーザー側]書類を作成しJ-STAGEの画面から提出

先の項目のステップ2で示した「審査に必要な書類」の内容は、以下の通りです。

▼全ユーザー対象

  • J-STAGEサービス利用申込シート

▼該当するユーザーが対象

  • 投稿受付ありの場合:投稿規程
  • 査読ありの場合:査読規程・体制
  • 未創刊の場合:発行計画

これらの書類をPDF形式でJ-STAGEのシステムにアップロードします。

1-3.[運営側]学術雑誌の審査

J-STAGEの運営による利用可否審査では、おもに搭載ガイドラインにのっとっているかどうかの判断を受けます。

J-STAGEの「登載ガイドライン・マニュアル」にもしっかり目を通しておきましょう。

外部リンク:J-STAGE「登載ガイドライン・マニュアル>推奨基準」

1-4.[ユーザー側]発行機関ごと・論文ごとの公開設定

承認され、学会誌や学術雑誌専用の管理画面が発行されると、次はいよいよ公開設定です。ジャーナルごとや個別の論文ごとに、細かな公開設定を行いましょう。

公開には「XML登載」と「Web登載」という2つの掲載方法があります。ざっくりいうと、前者は複数ファイルの一括管理や論文データの互換性に優れており、後者は簡単に論文データを作成・登録できるのが特徴です。

現在はXML登載が主流です。XMLファイルのほうが検索や分析しやすく、研究成果の再利用やデータ連携に大きな強みを持っているためです。

参考記事:【初心者向け】J-STAGEの論文XMLとは? 基本フロー&ツール比較、作成効率化のヒントも

2.研究者がJ-STAGEで論文を公開した後にやるべきこと

続いては、論文が公開された研究者が普及のためにやるべきことを、3点にまとめました。

2-1.J-STAGEに掲載された論文へのアクセス数を増やす

論文へのアクセス数を増やすため、研究者同士のコミュニティやSNSで、積極的に情報発信しましょう。

J-STAGEで最適なキーワードを指定したり、付録データの充実を図ったりすれば、検索エンジン経由でのアクセスも増加するかもしれません。

2-2.引用率を上げる

論文の引用率を高めるには、他の研究者との協力を通じて認知度を広げることが重要です。学会やワークショップなどで研究内容を提示しましょう。

またGoogle Scholarに著者ページを登録することでも効果が期待できます。論文がより多くの読者に届きやすく、引用されやすくなるでしょう。

参考記事:【Google Scholarの使い方】検索・引用効率を大幅UP! 機能&テクニック集

2-3.国内外の研究者に論文を認知してもらう

国内外の研究者に論文を認知してもらうには、英語での要約やキーワードを充実させると効果的です。国際的な学会や専門誌での発表を通じて論文の存在を広めましょう。

さらに近年では「インフォグラフィックス(データや情報を視覚的に表現した図やグラフ)」や「グラフィカルアブストラクト(論文の要点を視覚的に示した要約図)」などによる視覚的な訴求も、国際的なトレンドになっています。

3.学会誌・ジャーナルををJ-STAGEに登載するメリット

続いて学会誌や学術雑誌の発行機関にとってJ-STAGEに登載するメリットを4つ解説します。

3-1.論文本文へのオープンアクセスが可能

J-STAGEに学会誌やジャーナルを掲載すると、論文本文へのオープンアクセスが実現します。「オープンアクセス」とは、学術論文を無料で誰でもインターネットで閲覧できる仕組みのこと。閲覧に高額な購読料などを要求しないものです。

誰でも無料で閲覧できるため、研究の透明性と影響力が高まります。学術コミュニティ以外のユーザーの間でも、学会やジャーナルの知名度が向上するでしょう。

3-2.国内外の研究者へのリーチ率向上

インターネットを通じて国内外の研究者や一般読者にもリーチできます。

J-STAGEは海外でもよく知られており、国際的に信頼度の高い論文プラットフォームです。国境を越えて研究者たちに研究成果が広まり、引用やコラボレーションの可能性を拓くでしょう。

3-3.論文の影響力の可視化

J-STAGEで学会誌やジャーナルを公開すると、論文のインパクトを可視化できます。

論文のアクセス数や引用数のほか、インパクトファクター(掲載誌の論文が平均して受ける被引用数を示す指標)、それらのランキングなどのデータもリアルタイムで確認できます。

これらのデータを、論文や学会の価値を客観的に示す指標として、活動の評価や戦略的な研究推進に役立ててみてはいかがでしょうか。

3-4.掲載料金がかからない

なおJ-STAGEへの学会誌やジャーナルの掲載には、料金がかかりません。

予算の制約がある学会や研究機関でも、論文を広く公開することができます。経済的負担なく成果を発信できる貴重な機会となるでしょう。

4. 研究者にとってJ-STAGEの便利機能

最後に、研究者にとって便利なJ-STAGEの機能を紹介しましょう。

4-1.高度な検索機能

J-STAGEでは、キーワード検索はもちろん、著者名、資料種別、発行年など資料の基本情報のほか、分野別や、査読の有無、記事属性(新着・早期公開・電子付録など)での絞り込み検索が可能です。

ユーザーは膨大な学術情報の中から、目当ての論文や資料を効率的に見つけ出すことができるでしょう。

なお同じ国内の論文データベースである「Cinii(サイニィ)」との機能の違いについては、こちらの記事でも詳しく触れています。

参考記事:【徹底比較】J-STAGEとCiNiiの違い 論文検索機能&公開先の移行手順は?

4-2.補足の資料や研究データ公開に対応

J-STAGEの特筆すべき機能の1つとして、電子付録を付けられる点が挙げられます。論文に付随したデータセットや追加資料を、一緒に公開できるのです。

論文という言語情報からでなく、データが先行して流通してユーザーや研究者の関心を呼ぶこともあります。研究において、発信者の想定しない文脈で情報が価値を持つことは珍しくありません。論文で扱ったトピックやジャンルの域を超え、学術コミュニティ全体の発展に貢献できる可能性もあります。

J-STAGEは動画資料にも対応しています。詳しくは当ブログの以下の記事を参照してください。

参考記事:【J-STAGE】論文の動画活用術 必要性と検索方法、作成のコツ・公開手順まで

4-3.検索からワンストップのPDFデータダウンロード

J-STAGEでは、検索結果から論文本文のPDFデータ全体を直接ダウンロードできます。ユーザーは複数のページを経由せず、欲しい情報をすぐに取得できます。

これは一見単純な原理のようで、貴重な機能です。なぜなら学術コミュニティにおいては、運営者の視点や論理で設計された、形式的で不便な文書管理方法が継承されがちだからです。

ユーザー目線に基づいていてサービス設計されているJ-STAGEを、使わない手はありません。

まとめ:J-STAGEを通じて研究をより多くの人々に届けられる

J-STAGEでの論文公開は、オープンアクセスによる広範なリーチや、影響力の見える化など、多くのメリットがあります。さらに高度な検索機能やデータセットなどで研究者の発信力も強化できます。J-STAGEの機能を知って活用し、より多くの人々に研究結果を届けましょう。

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