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【J-STAGEとは】論文・電子ジャーナル公開前に発行機関が知るべき6項目

「J-STAGEで論文を公開するにはどんな手順を踏めばいい?」

「具体的にどういう点が他のプラットフォームよりも優れているの?」

この記事では、学会誌や学術雑誌の発行機関や研究者に向けて、J-STAGEの基本から学会誌掲載の手順、費用、メリット、他プラットフォームとの比較までを徹底解説します。

注目の機能や活用法についてもまとめました。ぜひ参考にしてみてください。

▼この記事はこんな人におすすめ

  • 学会誌や学術雑誌の電子ジャーナル化を検討している人
  • J-STAGEの活用メリットを具体的に知りたい人

※本文中の説明はすべて2024年9月現在の情報に基づきます。機能・画面仕様などは最新情報とは異なる可能性があります。正しい情報は必ずJ-STAGEで確認してください。

1. J-STAGEは科学技術分野に強い電子ジャーナル公開システム

J-STAGE(ジェイ・ステージ)は、日本の論文プラットフォームです。またそれと同時に、学会誌や学術雑誌の発行機関にとっては、優れた電子ジャーナル公開システムでもあります。

運営するのは文部科学省管轄の「科学技術振興機構(JST)」。研究者や学会が論文を広く公開・共有するために活用されています。

J-STAGEでは多岐にわたる分野の論文にアクセス可能で、特に科学技術分野に強みがあります。ユーザーが検索から閲覧までワンストップで利用できる使いやすさも、大きな特徴といえるでしょう。

ユーザー視点でのJ-STAGEの使い方については、以下の記事で詳しく述べています。

参考:【2024年版】J-STAGEの使い方 無料機能から文献管理効率化まで

2.論文を掲載する前に 押さえておくべき6つのポイントとは

続いて、J-STAGEに論文を掲載する前に、学術雑誌や学会誌を発行する研究者や機関が最低限押さえておきたい、6つの項目を紹介しましょう。

2-1.申請対象は研究者個人ではなくジャーナル発行機関

J-STAGEで論文を発表する際、申請するのは個々の研究者ではなく、学会誌や学術雑誌の発行機関です。

掲載申請や論文情報の管理は、発行機関で行います。利用申請が承認されたあとは、発行機関が主体となって管理画面から公開設定する必要があります。

したがって研究者が、個人で直接個別の論文掲載を申請することはできません。

2-2.掲載までのスケジュール

J-STAGEでの掲載までのスケジュールは、申請から公開まで、通常2〜3カ月程度みておくとよいでしょう。

発行機関側で申請書類や見本誌を提出したあと、運営側で掲載可否の審査が行われます。審査といっても個々の論文の内容に踏み込むものではなく、あくまでもジャーナルの信頼度をチェックするものです。

承認後には発行機関側によるシステムへのデータ登録作業が発生するため、公開までにさらに数週間程度を見込んでおくと安心です。

2-3.掲載費用と予算計画の立て方

J-STAGEへの掲載自体は無料ですが、論文データの準備には別途コストを考慮したほうがよいでしょう。

特に現在、主流となりつつあるXML形式での論文データの作成には、専門的な知識や作業が求められます。このため、印刷会社等によるデータ化支援サービスを利用する学会や発行機関も少なくありません。

予算計画にはデータ準備のための人件費や外部委託費を見込んでおくとスムーズです。

参考:【J-STAGE】論文掲載に料金はかかる? 公開手順や注意点も解説

2-4.学会誌・学術雑誌を公開するまでの手順

学会誌・学術雑誌をJ-STAGEで公開するまでには、以下の4つのステップがあります。

①新規登載申請
②論文フォーマットの準備
③審査・承認プロセス
④公開後の管理と活用

詳しくは当ブログの以下の記事で解説しています。

参考:【J-STAGE】論文を無料公開する意義とは? 掲載の4ステップも解説

2-5.PDFとXML、論文の2つのフォーマット形式の違い

論文のフォーマットにはPDFとXMLの2種類の形式があります。それぞれ以下のような特徴を持っています。

  • Web(PDF)形式
    • 見た目が印刷物に近く、レイアウトが安定している
    • データ作成は容易
    • ユーザーにとっては検索性が低く、部分的データ抽出が困難
  • XML形式
    • 構造化されたデータで、検索性や再利用性が高い  
    • 作成には専門知識が必要で、準備に時間がかかることもある

現在はデータの利便性の面で、XML形式が主流となっています。

参考:【初心者向け】J-STAGEの論文XMLとは? 基本フロー&ツール比較、作成効率化のヒントも

2-6.学会誌・学術雑誌の審査・承認基準

J-STAGEでは、査読のように論文の詳細な内容までは審査しません。

審査・承認基準がJ-STAGEの公式サイトで公開されているので、一度チェックしてみることをおすすめします。

当ブログでも審査基準の一例について、こちらの記事で触れています。

参考:【J-STAGE掲載】論文の価値を上げる!登載プロセスから助成金獲得への活用法を解説!

3.J-STAGEを活用するメリットとは

それでは改めて、J-STAGEでジャーナルや論文を公開するメリットについて説明しましょう。

3-1.発行機関がJ-STAGEを活用するメリット

発行機関がJ-STAGEを活用するおもなメリットは「論文や研究成果を国内外へ普及できる」点と「公開管理が容易になる点」の2つです。

まずは国内外の研究者からのアクセスが増え、論文の閲覧数や引用数アップが期待できるでしょう。検索エンジン最適化(SEO)に強いので、多くの人の目に止まりやすくなります。

さらに論文の早期公開機能など、多様なフォーマット対応や、充実したアクセス解析機能で、発行機関をサポートします。

3-2.他の論文プラットフォームとの比較

J-STAGEは他の論文プラットフォームと比較して、以下の優位性があります。

Google Scholar(グーグル・スカラー):論文の量が多く検索機能に優れますが、品質が保証されていない論文も含みます。

CiNii(サイニィ):日本の学術情報は豊富ですが、公開までのスピードやアクセス解析機能に限界があります。

一方、J-STAGEは国内外への迅速な公開や、アクセス解析ツールを用いた掲載論文の効果測定が可能です。

3-3.論文付随データを独自流通させる「J-STAGE data」

J-STAGE Data」は2019年4月に開始されたサービスで、論文に付随するデータセットを独自に公開・流通させることができます。

研究データの共有を促進して透明性と再現性を向上させるほか、データ単位でDOI(デジタルオブジェクト因子)を付与することにより、データ自体も引用可能です。

J-STAGEと連携して研究成果の信頼性と影響力を高めるものとして、注目されています。

4.注目の機能や効果的な活用法とは

最後に、J-SATGEの機能や活用法をまとめました。

4-1.論文ごとのアクセス・引用数

J-STAGEでは、論文ごとのアクセス数や引用数を詳細に把握できるアクセス解析機能を提供しています。また、ジャーナル自体の普及状況を把握するのにも役立つでしょう。

発行機関側でアクセス・引用データを活用する方法としては、例えば「新たな研究テーマの注目度が急増している場合には、その分野に焦点を当てた次号の企画を検討する」などが考えられます。

4-2.早期公開や差し替え

J-STAGEは、論文の早期公開・差し替え機能も便利です。

早期公開とは、正式な号が発行される前に論文を公開することです。研究の最新情報をいち早く共有し、研究者への影響力や、研究者間での競争力を高めます。

さらに論文の差し替え機能により、管理画面から修正やデータ更新が可能です。常に最新かつ正確な情報を発信しつづけることができます。

まとめ:電子ジャーナル化にはJ-STAGEを 印刷とのハイブリッド出版もおすすめ

J-STAGEは、電子ジャーナル化を目指す学会誌発行機関にとって最適なプラットフォームです。

迅速な公開、アクセス解析、データ連携など、多彩な機能で研究の影響力を最大化できます。また電子化と印刷のハイブリッド出版も可能で、従来の読者層を維持しつつ、新たな読者層の開拓も期待できるでしょう。

学会誌と研究成果の発展を目指すなら、J-STAGEを活用することを強くおすすめします。

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