「セミナーでのハイブリッド配信のやり方を知りたい」
「ハイブリッド開催ってなに?」
「現地だけでなく、オンラインでも同時配信したい」
この記事ではそのようなお悩みを持つあなたに、「セミナーのハイブリッド開催とは何か」といった基礎知識からメリットデメリットや開催のやり方をお伝えいたします。
ハイブリッド開催は「現地とオンラインの両方で行うこと」を指します。近年はzoomなどの通話・配信ツールが充実してきたことで、セミナー開催者に特に注目されています。
これまで、現地だけでセミナーを行っていた方が、オンラインでも同時に配信することで数倍の方にお伝えできる機会が発生することも少なくありません。加えて、現地での開催は変わらないため、実際に顔を合わせてお伝えしたい(されたい)というニーズにも応えることができます。
メリットを多く感じられるハイブリッド配信ですが「やり方がわからない」「難しそう」「問題が起きそうで怖い」といった理由で踏み出せなかったり、提案しづらいと感じているかもしれません。
そんなお悩みをこの記事では解消させていただきます。
読み終わる頃には「現地開催だけなんてもったいない!これからのセミナーはハイブリッド開催を進めたい!」と前向きに考えられるようになっているでしょう。
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ハイブリッド開催とは?
ハイブリッド開催とは、セミナーなどを実際の場所(オフライン、現地)とインターネット上(オンライン)の両方で同時に行う方法を指します。
セミナーにおいて現地で発表を行うと同時に、その模様をライブ配信することで、リアルタイムで遠隔地からの参加ができたり、後からの視聴を可能にします。ただし、開催のためには現地開催の準備だけでなく、オンラインで同時開催をするための準備が必要です。
セミナーのハイブリッド開催の大きな特徴は、参加者が現地に足を運ぶことなく、自宅やオフィス、カフェなど、自分の好きな場所から参加できる柔軟性にあります。
これにより、異なる地域や国からの参加者が増える可能性が高まります。セミナーの後に簡単な交流会を設けることでオンライン上でコミュニケーションを取ったり、意見交換もできます。効果的に活用すれば、従来の現地開催のみと比較して多様な視点や意見の獲得が期待できる点が魅力です。
現地開催だけでなく、オンライン上で多くの方が参加している状況を想像してみてください。
アンケートには日本全国から意見が届き、交流会では参加された方の地域独自の意見が交換される状況です。新しい視点が刺激になるでしょう。そんなセミナー・講演が開催できたら素敵ではありませんか?
ハイブリッド開催は新しい視点の獲得や遠隔参加による新規層への認知獲得が期待できます。当然、開催側だけの有用なものでなく、参加者にとっても便利であるものとなります。
一方で、効果的なハイブリッド開催を実現するには、現地の環境とオンラインの環境の両方をしっかりと整え、それらの連携を確保する必要があります。オフラインの参加者とオンラインの参加者の間に情報の遅延や断絶が生じないようにするための技術やノウハウが求められます。
適切なやり方を理解した上で、効果的なハイブリッド開催ができるよう進めましょう。
ハイブリッド開催のメリット
敷居の低下により、参加者が増加する
ハイブリッド開催は、場所の制約を取り除くことで、多くの人が参加しやすい環境を提供することができます。セミナーにおいて、現地に行くことを価値とする方もいれば、情報を取得する点に価値の重きを置いている方もいらっしゃいます。そのような「現地に伺うのは難しいけれど、話は聞きたい」といったニーズをハイブリッド開催は満たすことができます。気軽に参加することのできるハイブリッド開催は外部からの参加者の流入をうながし、新規参加や認知の拡大が見込めるでしょう。
地域や移動の制約がなく、多様な意見が集まる
ハイブリッド開催の最大のメリットの一つは、参加者が地方や海外にいてもセミナーやイベントに参加できることです。都市部以外の多様な背景を持つ人々に参加いただくことで、オンライン上での交流や情報交換の場が広がります。これにより、幅広い視点や意見を取り入れることができるようになります。
現地参加の価値が向上し、満足度が上がる
敷居の低さからオンライン参加も一般的になる中で、オンラインに特化せずハイブリッド開催とするメリットは現地参加による特別な体験です。
オンライン上では登壇者への質問も限られることが想像できるかと思います。現地での交流の時間を設けて直接の質疑応答を行うことでコミュニケーションスピードの速さから深い交流を提供できます。また、他の参加者とも現地で交流することは、将来的に深い関係につながるかもしれません。結果、オンラインでの限られた参加と比較して現地参加の価値が相対的に向上し、参加者の満足度が上がることが期待されます。
会場規模を限定できるため、コストを下げられる
ハイブリッド開催により、オンライン参加者も考慮することで、セミナー・講演によっては会場規模を小さくしても十分な参加者を見込めます。これにより、セミナーの開催規模によっては大きな会場のレンタル料や大規模な設備への投資、多くのスタッフ配置などが不要となり、コストを削減することができます。
アーカイブ配信により、セミナー後も価値を提供できる
オンライン配信を同時にすることで、ライブ映像の録画を簡単にし、セミナーや講演終了後にアーカイブ動画として活用することができます。公開の有無は内容にもよりますが、参加者へ公開することで内容の再確認や学び直しに利用いただけます。これによりセミナー終了後も、継続的な価値を提供することができ、セミナーを開催すること自体の魅力が向上します。
ハイブリッド開催のデメリット
技術の習得や初期投資が必要
ハイブリッド開催を成功させるためには、適切な技術の習得と初期投資が必要です。これは現地開催に追加して必要となる負担となります。ただし、オンラインとオフラインの両方での配信をスムーズに行うための基盤となるため、重要な考えです。
はじめる際は、適切な映像や音声の配信システムの選定、インフラの強化やソフトウェアの導入が求められます。これには、機材購入のコストやサブスクリプション料などの初期費用が伴うことも多いです。
また、導入した技術を適切に操作・管理するためのスキルや知識も必要とされます。会場のネットワークの状態を考慮する、配信ソフトウェアの利用を滞りなく行えるよう準備するなどが必要となります。これには、スタッフのトレーニングや外部の協力が必要となる場合もあります。
技術習得や投資は時間と労力、そして資金が必要とされ、すぐに回収できるものではありませんが、中長期的な視点で見ると、ハイブリッド開催のメリットを最大限に引き出すために重要です。
ただ、手をつけるのが難しいと感じる場合は、配信サポートを行う業者に頼ることもできます。技術や設備のプロフェッショナルを頼ることで、自分たちだけで行うより結果的に高い品質、リターンを得られることが多いです。
参加者の体験品質の確保
ハイブリッド開催では、現地参加だけでなくオンラインも含めて高品質な体験を提供することが求められます。オフラインの参加者が満足する設備や雰囲気でも、オンラインの参加者にとって期待値を下回る体験となる可能性があります。
具体的には機材不足により映像や音声の品質が低い、スタッフが適切に機材を配置できていない、参加者への案内が足りないことなどが考えられます。
オンラインとオフラインという異なる体験の質を並行して維持・管理するのはなかなか難しいのが正直なところです。特にオンラインの参加者にとっては、不具合や遅延、接続の問題などが生じると、その体験の質が大きく低下するリスクがあります。したがって、技術的なサポートや適切な設備の確保、そして参加者のニーズに応じた柔軟な対応が必要です。
事前に防ぐためには問題が発生した場合の対応マニュアルの作成、トラブルシューティングの手順などが求められます。他にもスタッフの役割や機能を明確にし、適切に体制を整えることも重要です。参加者に負担を感じさせない実施体制の構築が結果的に参加者の満足度、信頼に大きくつながります。
セミナーのハイブリッド開催のやり方
①ハイブリッド開催の目的の明確化
ハイブリッド開催とする場合「なぜハイブリッド開催とするのか」を明確にしておきましょう。参加人数からオンラインとオフラインの割合、オンラインとオフラインでそれぞれどのようなコンテンツを提供するのかなど決める必要があります。例えばオフラインではセミナー後には交流会、オンラインでは事前に質問を収集し、積極的に回答するなど、両者にどのような価値を提供するのかを明確にすることで全体の満足度が向上します。
②会場と日時を決める
会場は、オフライン参加者の体験とオンライン配信の品質の両方を考慮して行う必要があります。適切なサイズ、設備、ネットワークを持つ場所を選ぶことで、スムーズなハイブリッド開催が可能となります。
特にネットワークは重要です。通信品質が低く、セミナーが中断とならないように、場合によっては下見をして問題なくアプリケーションが動作するか確認することもおすすめです。
③ハイブリッド開催に必要な準備を洗い出す
必要な技術、機材、ソフトウェア、人員など、ハイブリッド開催に求められる要素を想像し、総合的にリストアップします。具体的なタスク、期限を明記したチェックリストを作成することで、計画的な準備を進めることができます。
④運営スタッフの手配、機材の準備
オンラインとオフラインの両方での作業を円滑に進めるために、役割や業務を明確にした上でスタッフを配置しましょう。オフライン担当とオンライン担当は分けて注力させることで、不意な問題が発生した場合も混乱せずに対応できます。
機材は事前に準備およびテストを行い、場合によってはバックアップも用意するなど、開催するセミナーが許容できるリスクに合わせて対応しましょう。
⑤資料準備およびオンラインへの最適化
資料は、オフラインとオンラインの両方の参加者にとってわかりやすく効果的なものを意識しましょう。オンライン上の参加者は会場の雰囲気の把握が難しく、資料の情報に集中します。そのため見やすい資料作りをしましょう。現地で資料を配布する場合は、忘れないよう印刷するなど対応ください。
⑥当日の設営
当日の設営は、事前のリハーサルまたは想定通りに、スムーズに作業を進めることが求められます。通信環境の確認や機材のチェックなど、チェックリストを作成しておくのも良いかもしれません。また、カメラの配置は特に細部まで注意を払いましょう。オンラインの参加者はカメラの画角内に収められた情報と音声のみとなります。カメラが引きすぎる、近づきすぎるなどで不快感を与えないよう事前のイメージの認識合わせは大事です。
ハイブリッド開催に必要な機材
必要な機材については、開催規模や内容などで異なりますが、一般的に以下の機材が挙げられます。最初はどれくらいの機材を必要とするか把握するのは難しいため、迷ったときは配信サポートをしている業者に相談してみてください。
カメラ
個人規模のセミナーの場合はzoomなどと同じように個人用webカメラでも問題ございません。会場規模の場合、できるだけ高品質の映像を提供するためにはプロ仕様のカメラも必要となります。さらに大規模になる場合は複数台のカメラがあれば、切り替えやアングルの変更もでき、参加者の満足度が向上します。
マイクロフォン
オンライン上でも高品質に音声を届けるために衣服に取り付けるような「ラベリアマイク」やスムーズに受け渡しができる「ワイヤレスマイク」を活用しましょう。
オーディオミキサー
マイクや途中休憩時のBGMなど複数の音源を適切にミックス・切り替えして、最適な音声をスムーズに提供します。
ビデオスイッチャー
複数のカメラや映像ソースがある場合、入力を切り替え、ライブ配信の品質を向上させます。
照明機材
スピーカーやパネリストを適切に照らすための照明です。
PCまたはタブレット
プレゼンテーションの表示、オンライン参加者とのコミュニケーション、配信の管理などに使用します。
配信プラットフォーム用のソフトウェア
Zoom, Teams, OBS Studioなど、開催する内容に適したライブ配信ソフトウェアが必要です。
セミナーにおいてはZoomの使用がおすすめです。
ハイブリッド開催に必要な費用
セミナーのハイブリッド開催はオンラインでの開催を追加するため、機材や配信ソフトウェアなど追加で費用が必要です。ただし、会場規模や内容、品質によって具体的な費用は異なります。前述の機材が最初から設置されている会場を探すか、それぞれの価格を調べることで総合的な費用を導き出すことができます。
配信品質とコストはトレードオフの関係のため、必要な機能を取捨選択することで適切な費用・コストで開催することができます。
費用の調査をするのにも時間と労力は必要です。迷った際は配信サポート業者を頼る方が結果的に低コストで高品質のハイブリッド開催ができるかもしれませんのでお気軽にご相談ください。
ハイブリッド開催の事例
例1:セミナー
業界関係者や一般の方を集めて行われるセミナーでは、ハイブリッド開催とすることで現地会場の大きさを見直すことができ、コスト削減も見込めます。また、現地開催だけでは収容しきれない参加者の獲得やアーカイブ配信による有用性の提供にもつながります。必要な機材もカンファレンスなどと比べると少なくなる可能性が高いです。ハイブリッド開催に慣れていない方はセミナーでの利用を通じて全体感を掴むのもおすすめです。
例2:カンファレンスイベント
業界のプロフェッショナルや企業関係者、一般参加者を巻き込んだカンファレンスイベントはハイブリッドセミナーが一般的になりつつあります。この場合、パネルディスカッションやスピーチなどが発生するため、複数台のカメラや大型ディスプレイ(プロジェクターなど)を用意して、視認性を高めつつ飽きさせない作りが大事です。
例3:学会
学者、研究者、学生、関連企業などが参加する学会においてもハイブリッドセミナーは有効です。オンラインを含めて実施することで、これまでより研究の普及や広報、学外からの参加を促進することができます。また、国際的な研究者との連携も考慮できるようになり、幅広い知見を集めることができる可能性が高まります。一方で登壇者含めてオンラインでの開催に慣れていない方も多いため、丁寧な案内や安心できるスタッフ配置などが重要となります。
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ハイブリッド開催が成功すると、現地開催だけだと考えられない規模の参加者を獲得したり、満足度を発生させることができるため、挑戦する価値は大変高いです。
ただ、ハイブリッド開催は現地開催に追加して機材やスタッフの配置が必要となるため、興味があっても二の足を踏んでいる方も多いかと思います。
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