
「学術雑誌の価値を上げたい」「より多くの研究者に論文を届けたい」――そう考えた際、避けて通れないのが国内最大の学術プラットフォーム「J-STAGE」への登載です。
しかし、いざ検討を始めると「何から始めればいいのか?」「XMLって何?」と壁にぶつかる事務局様も少なくありません。本記事では、J-STAGE登載に向けた「登載基準」から、最大の難関である「XMLデータの作成方法」までを徹底解説します。
1. J-STAGEに登載するための「登載基準」をチェック

J-STAGEはどんな雑誌でも登載できるわけではありません。運営元であるJST(科学技術振興機構)が定める一定の基準をクリアする必要があります。
主な申請資格と要件
- 学術団体等であること: 学会や大学、研究機関などが発行していること。
- ISSNの取得: 国際標準逐次刊行物番号(ISSN)を取得していること。
- 査読制度(ピアレビュー): 投稿論文に対して、適切な査読が行われていること。
- 定期的な発行: 年1回以上など、継続して発行されている実績があること。
- 倫理規定の整備: 著作権規定や出版倫理に関するガイドラインが明文化されていること。
ポイント: 近年、特に「出版倫理」に関するチェックが厳しくなっています。申請前に会則や投稿規定を見直すことが重要です。
2. 登載までのスケジュール感

申請から実際に公開されるまでには、一般的に半年〜1年程度の期間を要します。
- 利用申請: J-STAGEの公式サイトから申請書を提出。
- 審査: JSTによる審査(数ヶ月かかる場合があります)。
- 環境構築: 審査通過後、IDの発行やジャーナル設定を行います。
- テスト登載: 実際にデータをアップロードし、表示確認を行います。
- 本公開: 運用開始。
3. 最大の難関「JATS XMLデータ」の作成方法

J-STAGEの最大の特徴は、論文をXML形式で管理している点です。これにより、Google Scholarなどの外部データベースと自動連携され、論文の引用数アップが期待できます。
そもそもXMLとは?
XML(JATS XML)は、コンピュータが論文の内容(タイトル、著者、抄録、参考文献など)を正しく理解するための専用タグを用いたデータ形式です。
作成の3つのルート
| 手法 | 内容 | メリット | デメリット |
| 自社・自前作成 | 専用ソフトを導入し、事務局でタグ付けを行う。 | コストを最小限に抑えられる。 | 高度な専門知識が必要。エラー修正に膨大な時間がかかる。 |
| J-STAGE提供ツール | JSTが配布している作成支援ツールを利用する。 | 無料で利用可能。 | 構造が複雑な論文や、特殊記号・数式が多い場合に不向き。 |
| 外部委託(推奨) | 印刷会社や専門代行業者に依頼する。 | ミスがなく高品質。事務局の工数がほぼゼロになる。 | 外注費が発生する。 |
4. なぜ「XML作成」はプロに任せるべきなのか

「PDFがあるから大丈夫」と思われがちですが、J-STAGEの真価は**「メタデータ(書誌情報)」の正確さ**にあります。
- リファレンスリンクの自動生成: 参考文献から他論文へリンクを貼るには、正確なXML記述が不可欠です。
- 数式・特殊文字の再現: 科学技術論文に多い複雑な数式は、XMLでの記述難易度が非常に高いです。
- 最新規格への対応: JATS規格はアップデートされます。常に最新の仕様に合わせる必要があります。
5. 専門業者のトータルサポート

弊社では、これからJ-STAGEへの参加を検討されている事務局様を、申請段階からサポートいたします。
- 申請アドバイス: 基準をクリアするための規定整備のご相談。
- 高精度なXML制作: 印刷用データからダイレクトにXMLを生成するため、高品質かつスピーディー。
- 全文XML対応: 論文の全文をHTML公開することで、アクセシビリティを飛躍的に向上させます。
日本印刷出版株式会社ではこれらの対応も行っております。
まとめ:デジタル化の第一歩をスムーズに
J-STAGEへの登載は、学会の国際化やプレゼンス向上に向けた大きな一歩です。しかし、技術的なハードルでその一歩が遅れてしまうのは非常にもったいないことです。
「自社の雑誌が登載基準を満たしているか知りたい」「XML作成の見積もりが欲しい」といったご相談は、ぜひお気軽に日本印刷出版へお寄せください。



