印刷用語辞典
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【あ】
アート紙 :
ベースとなる紙に上質紙を使用し、コート剤の塗工量が20g/m2前後の厚みを持つ加工紙で、印刷仕上がりの良さを求められる美術全集やカタログ、ポスター、写真集等の高級カラー印刷に用いられる。光沢度を最小限におさえた「つや消しアート」もある。
アートポスト(Art Post):
アート紙の一種で,通常四六判160kg以上の厚さのものを言う。(一般アート紙は四六判135kgまで)この名称は,主に絵はがきに用いられていたことからきている。
RGB :
Red、Green、BlueVioletと言う光の3原色の頭文字を取ったもの。モニタに表示される色の三要素。カラーモデルのひとつ。
アイコン(Icon):
ファイルやハードディスクなどを小さな絵として表現し,内容や機能を見ために理解しやすくしたもの。
藍 版 :
青版、C版、シアンとも言う。印刷インキの基本色(プロセスインキ)のひとつで藍色の版のこと。
アウトラインフォント :
直線と曲線で文字の輪郭(アウトライン)を形成し、その中を塗りつぶすことによって文字を表示する方式のフォント。ベクトルフォント(vector font)とも言う。文字の拡大・縮小も自由にできる。
Outbound :
外部にデータを送信すること
青焼き :
一般にオフセット印刷の場合校正刷りが出来ないため、製版フィルムを「青写真感光紙」に焼き付けて校正刷りの代用とする。文字校正のためや1、2色の物などで使う。青焼校正とも言う。
赤 字:
文字校正の際に、誤字や脱字、欠字などを校正記号を使って赤鉛筆で書き示すことから、訂正箇所の総称として使われる。文字だけでなく、写真やカットなどカラー印刷をはじめ、全般的に赤い筆記用具で記入する。
赤版(あかはん):
プロセスインキの紅(あか)を印刷するための版。M版。Magenta。
空き(アキ):
スペースとも言う。文字と文字の間、行と行の間の量。使用文字サイズに対して全角アキ、二倍アキ、二分アキ、行間方向に対して一行アキ、二行アキなどと指定する。絶対値として、ポイント・菌・ミリで指定することもある。
空き組:
字間に一定のスペース(アキ)を挟む組版様式。四分アキ、二分アキなどがある。ベタ組に対して言う。
アキュート(Acute):
発音記号の「´」、楊音符とも言う。この逆向きの符号「`」は、グレープ・grave(抑音符)と言う。
アクセント(accent):
欧文の上または下に付ける符号。発音の高低・長短・抑揚などを示す。
● 揚音符、アキュート ● 抑音符、グレーブ
● 抑揚音符、サーカムフレックス ● ティルデ、ウエーブ
● 短音符、ショート ● 長音符、ロング
● 長短音符、ダウトフルレングス ● 分音符、ディエレシス
● シーデラ ● 気音符、アスパ
網代折り(あじろおり):
無線とじのひとつである網代とじを行うために、紙折りの最後に背の部分にわずかに切れ目を入れ、接着剤の浸透を助ける折り方。
網代とじ:
無線とじの製本様式の一つ。網代折りの折り本を丁合後、糊で接着する。背が全部切り離されていないので、無線とじよりも紙面を広く使えると言う特徴がある。本製本も可能で、背を丸くする加工もできる。
頭ぞろえ後ろなりゆき:
各行の単語の最初だけを行頭で揃え、各行の単語が終わったところで行換えする文字組スタイルのひとつ。
頭合わせ(天合わせ):
多面付けで、頁の「天側」と「天側」を付け合わせて組み付ける面付け方法。天合わせとも言う。通常横組左開きの本に用いられる。反対に「罫下合わせ」「地合わせ」がある。
あたり:
レイアウト指定や版下などで、本文・見出し・図版・キャプション・平網などが入る位置を指定した細い輪郭線を言う。作図機などで台紙起こしをした場合、写植貼り込みの位置を示すためなどに青の線で引かれ、写真・平網などの位置を示すときは細い黒の線で引かれるガイドライン。仕上がった印刷物には不要な線であることから、「ケイアタリ・ケイシニ」などとも指示する。罫を生かして印刷する場合は「ケイイキ」と指示して区別している。あたり罫、あたり線とも言う。
アップル・シェア(Apple Share):
Apple社純正のネットワーク用ソフトウェアで、「機能拡張」フォルダに入れて使う。ファイルサーバー機能や、ファイル及びアプリケーションの共有機能を提供する。
アップル・スクリプト:
Apple eventを送って制御するスクリプト言語。それを利用可能にする機能拡張書類。MS-DOSのバッチ処理(あらかじめ一連の操作を登録し、自動的に実行すること)を高度にしたようなもの。
アップル・ファイル・エクスチェンジ :
MS-DOS、Pro Dos用にフォーマットされたフロッピーディスクに入っているデータを、Macintoshで読み書きするためのフォーマット変換ソフトウェア。対応しているフォーマット容量はMS-DOSの720KBと1.44MB、Pro Dosの800KB。DOS640KDriverと言う付属の機能拡張書類を入れると、MS-DOSの640KBフォーマットが読めるようになる。
後付け:
本文が終わると、前付けに対応した後付けがある。索引・あとがき・奥付けなどの総称。
アドビ・アクロバット(Adobe Acrobat):
Adobe Systems社のプラットホームに依存しないシステム。Macintosh、Windows、UNIXなどが混在する環境でも扱える。PostScriptをベースにしたPDF (Portable Document Format) と言うファイル形式で、文字だけでなく、フォントの種類や大きさ及びスタイル、画像データまで統合して扱える。Illustrator5.5やPageMaker6.6はPDFの書きだしが可能。
アドビ・ストリームライン(Adobe Streamlime):
PICT、TIFFなどのビットマップイメージをオートトレースするアプリケーション。
アドビ・フォトショップ(Adobe PhotoShop):
Adobe Systems社のグラフィックアプリケーション。ファイルコンバートから写真の合成やレタッチなど画像操作に関しては必要十分以上の機能を誇る。
アドビ・イラストレーター(Adobe Illustrator):
Adobe Systems社のDraw系グラフィックアプリケーション。PostScriptを基盤としたデジタル・デザインの原動力。
アドビ・
ページメーカー(Adobe PageMaker):
1985年、Aldus社から発売されたページレイアウトソフト。バージョン6.0J以前、Aldus PageMaker(アルダス・ページメーカー)と言う名称だった。MacintoshのDTPは、このソフトから始まった。バージョン6.0JからHTMLやPDFの書きだしができるようになった。
アポストロフィー(Apostrophe):
記述記号(’)。略してアポとも言う。文字や数字の省略・複数、所有格を表す符号である。プライム(´)とは形も使用場所も異なるので要注意。
雨だれ:
表記記号(!)の俗称。感嘆符。エクスクラメーションマーク。
網かけ:
写真・絵画などの連続的濃淡の諧調を大小の網点に変換する作業。以前は直交スクリン・コンタクトスクリンを使っていたが、現在ではスキャナを使用している。「綱撮り」とも言う。
網 点:
凸版やオフセット印刷で写真(モノクロ・カラー)などの階調を再現する場合、点の大きさと印刷する紙の白地部分との比率で濃淡を表現するが、この点を網点と言う。網点には、1インチ幅にいくつ網点があるかと言う「線数」と、モアレを発生させないために設定する「角度」、濃淡を変化させるための「濃度」の3つの要素があるが、これらは各々独立した物である。目的に応じて形状にも様々な種類がある。
網点角度(スクリーン角度) :
多色印刷の際、各版の重なりあいによって生じるモアレ(干渉縞)を防ぐため、各版の網点の配列に一定の角度差をつけたもの。一般に45°の角度が一番目につきにくく、そこから30°ずつ離して複数の網の並びを配置していく方法が都合がよいとされている。C・M・Y・Kのプロセスカラーの場合、90°の範囲の中で30°違いに4つの角度を設定するのは不可能なので、インクの発色の特性上、一番目立つK(墨)版(写真分解の場合はM版)を45°に設定し、目立たないY版を他の版と15°違い(0°ないし90°)に設定することが多い。
網点製版:
印刷物のインキの膜厚は均一で、インキの付着密度を変化させることで濃淡を表現する方法。写真原稿の濃淡(連続階調)を、網点の大小に変換し、網点の大小、粗密によって表現する。写真だけではなく、特定の部分に均一な濃度をつけたい時にも同様。濃度は100%を最高に、単位面積当たりの網点が占める面積比を主に10%きざみの百分率で表す。平版(オフセット)や凸版方式で主に使われる。
網点線数:
スクリーン線数と同じ。網点の細かさを表す単位で、1インチ(2.54mm)を基準単位としてその中に1列状(線状)に並んだ網点が何本あるかを言う。同じ濃度で比べた時、線数が多い程網点ひとつの大きさは小さくなり単位面積あたりの個数は増える。線数が多い程画像のディティールは鮮明になり元となった原稿の階調に近づくが、半面、印刷条件によってはドットゲイン(網点のつぶれ)が起きやすくなる。このため線数は印刷の方式、用紙、機械の精度、印刷物の用途や目的によって選択される。新聞(更紙)は65~100線、雑誌(上質・コート・アート紙)は133~175線、高級印刷物(特アート紙など)は200線以上がよく使われる。
網点太り:
網を利用した印刷で、フィルム原版の網点より、印刷の網点が大きくなる現象。ドットゲイン(dot gain)
アンダーライン 注意をひくために横書きの字句の下にひく線を言う。また、原稿指定や校正のときに使う線は、一本はイタリック、二本はスモールキャピタル。三本は大文字に、波線はボールドもしくはゴシックの指示記号となる。
アンチエリアス(Antialiasing):
図形や曲線のギザギザを、滑らかに見せる機能。
【い】
Ethernet(イーサーネット):
1976年XEROX社が開発したコンピュータ間の通信方式。コンピュータに通信用のボードを取付け。コンピュータ間は10BASE-Tや10BASE-2、10BASE-5などの通信ケーブルで接続され、割り振られたEthernetアドレスにより通信相手を特定することができる。現在最も一般的なLANの方法。
EPS:
Encapsulated PostScriptの略。PostScriptのデータをソフトウェア間でやり取りするフォーマット。ASCII形式とバイナリー形式がある。
Eプリント:
オンデマンド印刷機の代表的な装置。従来の印刷工程に必要であった版下・製版・刷版などが不要である。DTPなどで作った製版データを直接、印刷内の胴に焼き付け四色の液体インキで印刷する。版から移された液体インキが加熱されているブランケット上でペースト状になり、紙に転移する。必要な時に必要な部数を、と言う設計思想があり、極端にいえば一枚だけの印刷も可能。
イキ:
校正記号のひとつ。誤って訂正を入れた場合、訂正を取り消してもとのままでよいことを示す。
異体字:
標準的な字体以外の漢字字体や仮名字体を言う。常用漢字で制定された新字(略字)と旧字体のような関係を言う。古文においては非常に複雑であり、解読には字体・書体・書風などを調べつくした「十三体千字文」などの字書が必要である。略字・俗字といわれるものも文字学的には、異体字になる。
ボールドイタリック体:
欧文イタリックのボールド体。数式でよく使われる書体である。指定記号としてはボールドの波下線とイタリックの横下線の二本を引く。
イタリック体:
欧文文字の右斜めに傾いた書体。もとは独立した書体であったが、やがてローマン体に属する書体となった。サンセリフ系の書体の中で使用する時オブリークと言うこともある。指定記号は横下線一本である。
一字下げ:
文書の最初を1文字分を余白にして、2文字目から書き始めること。
一括処理:
バッチ処理。コンピュータでデータ処理の作業を始める前に処理すべきデータ・命令をすべて揃えておき、一定量をまとめて処理する。作業開始後は追加処理のできない処理体系である。
イニシャライズ(Initialize):
フロッピーディスクやハードディスクを使い始める前に、必要な情報を書き込む作業。物理フォーマットを行ったディスクに対して、ディスク領域の使用状態を管理するテーブルや、階層構造を表すディレクトリ部分を用意する。
イメージスキャナ(imege scanner):
写真・図版などの画像を直接読み取り、コンピュータにデータとして入力する装置。原稿をCCDでスキャンし、画像の濃淡を光の強力に変え、デジタル信号に変換し、メモリにとりこむ。読み取り精度の単位としてdgiが使われる。
イメージセッタ(Image setter):
プロの印刷用として使う高解像度の印刷装置。日本語PostScriptに対応していて、通常、1200~3600dpi程度の解像度で印画紙またはフィルムに出力する。
色指定:
カラー印刷を行うために、刷り色の指定を行うこと。もしくは指定したものを言う。製版ではこの指定に従い、プロセスカラー(C・M・Y・Bk)それぞれの配分を網点に置き換えていく。例えば、緑の場合、C100%+Y100%と指示し、製版はそれぞれの網点を指示通りの%に置き換えていく。インキメーカーでは、あらゆる色調を再現するためにプロセスカラーと呼ばれる基本色(C=シアン、M=マゼンタ、Y=イエロー、Bk=ブラック)をかけ合わせた色見本調(カラーチャート)を作っており、これを参考にして色指定を行う。従来のアナログ式ではレイアウトに指定するか、校正を終えた台紙のコピーに記載される。DTPの場合は、画面上でシュミレーション出来るが、ラフスケッチの段階で設計することが多い。
色上質紙:
染料で着色した上質紙。略して「色上」とも言う。淡クリーム書籍用紙は含まない。
印刷用紙:
雑誌・書籍などの印刷用に抄造された紙。新聞巻取紙・非塗工紙(上級印刷紙・中級印刷紙・下級印刷紙・薄葉印刷用紙)微塗工印刷用紙・塗工印刷用紙(アート紙・コート紙・軽量コート紙)特殊印刷用紙などがあり、さらに、印刷用紙A:上質紙。印刷用紙B:中質紙。印刷用紙C:上更紙(じょうざらがみ)。印刷用紙D:更紙(ざらがみ)などの呼び方がある。
インターフェース(Interface):
ハードウェア、ソフトウェアと利用者との間の接続形式や対話形式。装置、技術、プログラムの仕様、使い勝手も含まれる。
インデント:
欧文における字下げ。文節の区切りをはっきりさせるためにする手法である。1字下がりとは決まっていず、文字の大きさ、行間のバランス、行長などで決める。
Inbound :
外部からデータを受信すること
【う】
ウエート(Weight):
欧文書体の縦線の太さの変化。細い方からlight、medium、demibold、bold、extra bold、ultraなどがある。
ウムラウト(umlaut):
アクセント符号のひとつ(¨)。
裏罫:
厳密な定義ではないが、約0.4mmの罫線を言う。活字の罫線から生じた言葉で、表を使った罫線活字を細い線であり、その活字を裏返しにすると太めの線であることから生まれた。裏罫は俗語であり、罫線の太さの指示は、数値で指示することが望ましい。
裏表紙:
書籍・雑誌の裏側についている表紙。表四とも言う。また,表三を含めて言う場合もある。
裏見返し:
裏表紙のほうについている見返し。後見返しとも言う。
裏面:
ページ物を面付けした場合、裏側で印刷されるページ。トップページ(仮の1ページ)のある側を表(おもて)面になるので、例えば1折16ページの場合、仮の1、4、5、8、9、12、13、16が表(おもて)面、2、3、6、7、10、11、14、15が裏面になる。
上つき文字:
字面がボディの上部に片寄っている文字。インデックス、スーパースクリプト、スーペリア、肩付き文字などの呼び方もある。
【え】
SGML(Standerd Generalized Markup Language):
ISOにより制定された電子文書のためのマークアップ言語。テキスト文書中にフォントや文字サイズなどの情報を書込み、見出し、本文、参照、索引など構造を持つ文書処理ができる。CALSの中で文書交換データ形式として使われている。
HTML(Hyper Text Markup Lanuage):
インターネットWWWのホームページを作成するための構造化タグ言語。テキストデータの中にタグと呼ばれる文字列を入れることで表示する文字の大きさやフォントを定義付けることができる。音声や画像データもタグを通して多のファイルとリンクすることができる。HTMLを表示するためにはブラウザと呼ばれるプログラムが必要である。
エディタ(editor):
入力や編集を行うためのソフトウェアの総称。テキストエディタ、グラフィックエディタ、構造エディタなどがある。プログラムや原稿など、入力する時点で高度なプリント機能を要求しない場合に使われる。
FTP(File Transfer Protocol):
TCP/IPプロトコルで接続されているコンピュータ間でファイルの転送を行うためのプロトコル。通常サーバーと接続するためにはIDが必要だが、匿名(anonymous)ユーザーの接続を許可している。メールアドレスは入力することがネチケット(ネットワーク上でのエチケット)となっている。インターネットにはファイル・ライブラリーを公開しているサイトがあり、ユーザーはライブラリーから欲しいデータをダウンロードすることができる。
M版:
紅・あか版、マゼンタ版。プロセスインキのマゼンタ(magenta)で刷るための版。
エンボス(Embossing):
凸凹模様を彫刻したプレートやロールなどの間に、紙・印刷物などを挟んで圧力をかけ型押しをすること。
【お】
OS(Operating System):
コンピュータを動かすための基本ソフト。メモリー管理、入出力の管理、デバイス装置の管理、ファイル管理などを行う。MD-DOS、WINDOWS、UNIX、MAC-OS、OS/2などがある。
オーハープリント(Over print):
印刷機を利用して、印刷物の表面にオーバープリント用ニスを印刷すること。ニス刷りとも言う。専用の塗布機(コーター)を用いる場合は「ビニル引き」といい区別している。オーバープリント用ニス(OPニス)はインキから顔料を除いた透明なビヒクルに強膜剤を加えたものである。
追い込み:
組版で行頭・行末・分離禁止にかかった文字・約物を整理するために前行の字間・約物の前後を詰めて印字すること。
追い出し:
組版では、行頭・行末・分離禁止にかかった文字・約物を調整するために次行の字間・約物の前後を詰めて移動させることを指す。字間を調整することになる。
黄金率:
ある直線を二分割するとき、小部分の大部分に対する比率が大部分の全部に対する比と等しくなるように分割してできた比率。黄金比、黄金分割とも言う。公式は次の通り。短辺:長辺=長辺:全長(短辺+長辺)1:1.618=1.618:2.618
大見出し:
書籍などの印刷物でつけられる標題の最大の区分。本文の文字より大きく、目立つうに設定する。二段組・三段組などの場合は「段抜き」といい、段を通して見出しにするのが普通である。
奥付 本の最終ページに記載されているデータ表のこと、本の戸籍の役割を果たす。
送り:
文字または行を移動させること。次送り・行送りを行なうこと、写植では、文字の基準点から基準点までの移動量を言う。
踊り字:
同じ字が続く時、次ぎ字を略したことを示す繰り返し記号「ヽヾゝゞ」。
帯:
書籍の表紙・外箱に巻き付けた紙。帯紙・腰巻とも言う。主にPR用に使い、その書籍の内容紹介・推薦の言葉・特徴などを入れる。
オフセットインキ:
オフセット印刷に使用されるインキのこと。油性で粘度が高く親油性で、プロセスインキとそれ以外の特徴インキに分けられる。プロセスインキはシアン、マゼンタ、イエロー、ブラック(CMYK)の基準4色からできていて、半透明性。この4色を掛け合わせることによってほとんどの色を再現できる。特色インキは基準色(インキを直接混ぜ合わせて色を作る)で、プロセスインキで再現できない微妙な色を再現する時に用いる。
オフセット印刷:
平板印刷を代表する印刷方式。版面から一度ゴム胴(ブランケット)に画線部を転写(オフ)し、その画像を紙に印刷(セット)する方法。
オペーク、オペークペン(Opaque):
ネガ台紙上に発生するピンホール(小さな穴)などを塗るつぶすのに使われる遮光性の赤い液体。水性と油性があり用途によって使い分ける。
表罫(オモテケイ):
罫線のひとつで通常0.1~0.13mmの線を言う。活字から出来た用語だが、太さについての定義は正確ではない。印刷されない線である「アタリケイ」に対して、表罫は印刷される罫線である。
表表紙:
書籍・雑誌などの表側の表紙。表1。
表見返し:
前見返しともいい。オモテ表紙の方につく見返し。
表面(おもてめん):
ページ物を面付けした場合、表側で印刷されるページ。トップページ(仮の1ページ)のある側が表面になる。例えば1折16ページの場合、仮の1、4、5、8、9、12、13、16が表面になる。そのうち1、8、9、16を貼る方が表Aでトップの台になる。残りは表B。
折り:
製本の作業工程のひとつ。ページの順が正しくなるように刷り本を折っていく作業。いくつかの方式があり、普通の折りを「回し折り」と言う。直角に二つ折りし、時計回りに回転させながら、また二つ折りにし、これを繰り返す。八ツ折り・16ページ折り・32ページ折りがある。特殊な折り方としては、巻き折り・観音折り・経本折りなどがある。
折り込み:
書籍・雑誌などで版型より大きいものを折り畳んではさみ込むこと。または、はさみ込む印刷物。
折丁(おりちょう) 製本するために1ページ大の大きさに折り畳まれたもの。折丁には三回折(八ツ折)の16ページ、四回折(16折)の32ページ折り、二回折(四ツ折り)の8ページ、一回折(二ツ折)の4ページがある。
オンデマンド(On demand):
必要な時に必要な部数を印刷すると言うシステム。従来の印刷はあらかじめ予想される必要部数を大量に印刷すると言うものだったが、産業思想の変遷にともなって(省資源など)、必要な時に必要な部数を印刷すると言う思想に基づいて開発された印刷システム。機械として「Eプリント・クロマプレス」などがある。
音引き:
長音符とも言う。長音を表わすための記号。基本的には行頭禁則であるが、近年では禁則扱いしない場合多い。
【か行】
カーニング(Kerning):
ワープロソフトやDTPソフトなどで、欧文組版を美しき表現する機能のひとつ。文字の組み合せに応じて、視覚的に字間が等間隔に見えるよう、一定量の詰め処理を行うこと。
改行処理:
電算写植では、次の行に移す処理のことを言う。所定の字数で自動的に改行される「自動改行(復帰改行)」と、その行に空白が残っていても次の行に移る段落による「強制改行」とがある。文字(テキスト)入力時の注意として、強制改行の指示(段落マーク)を入れ忘れると改行はされない。行がいっぱいで終わっても必ず段落マークをいれなければならない。段落の指示がない場合、段落が全部つながってしまう。
楷書体:
漢字の書体のひとつ。隷書から変化した書体で字形がほぼ方形になっている。真書・正書とも言う。現在使われている漢字で最も近いものは清朝体・教科書体・正楷書体などである。
改 段:
段替え、とも言う。段組で見出しが来た場合、新しい段の初めから組んでいく。
改 丁:
奇数ページより新規に組み始めること。
階調、階調原稿(連続調):
グラデーション、調子とも言う。明るい所と暗い所、そしてその中間の明るさといった濃淡がある状態。写真や絵画など1枚の画像の中で濃淡があり、濃度が連続的に変化している原稿は階調原稿とよばれる。
改ページ:
奇数・偶数ページにかかわりなく、次のページから新しく組み始めること。
かがり:
製本の際に各折をつなぐ方式として、糸を使い、かがっていく方式がある。これを糸かがり、もしくはかがり、と言う。上製本の方式である。
角ゴシック:
和文の普通のゴシック体の文字。線の太さが均一で、起筆・終筆が角張っている。丸ゴシック体に対しての呼び方である。
角 背:
本製本の一様式。背に丸みを持たせずに平らに四角に仕立てる方式で、中身の耳を出さない。耳を出したものは角山(かくやま)と言う。
カゲ文字(シャドー文字):
文字の立体感を出すために、影をつけたようにして見せる文字。書き文字や写真植字の書体にもある。一般文字でも製版時点で文字をズラす加工をして作ることができる。
囲み記事:
雑誌・新聞などでページの一部に罫線などで囲んだ短文の記事。コラムとも言う。
飾り罫:
装飾的な模様を持つ罫線。角付きといって四隅の飾りを工夫した飾り罫もある。
加色混合:
可視光域のある青紫(B)、緑(G)、赤(R)この光の三原色の混合比によって、さまざまな色光が作り出され、それぞれ等しく混合されると白色光になることを言う。色光を重ねた場合、その混合色はもとの色よりも高くなると言うことから加色混合と呼ばれる。加法混色とも言う。これにより表現されるメディアはテレビ・パソコンなどの画面上だけである。色の三原色による混合は減色混合となり、性質を異にしている。
カスタマイズ(Customize):
ユーザーが自分にとって使いやすいように、アプリケーションの機能やキーアサインなどのデフォルト値を変更すること
霞 罫:
罫線のひとつ。
数の書式(Nunbers):
コントロールパネル書類。通貨記号などの書式を設定する。
仮想メモリ(Virtual memory):
搭載している物理的なRAM容量以上のメモリを使えるようにする仕組み。漢字Talk7からサポートされた。RAMに入らない分のデータを、ハードディスクに保存しておき、必要なときに呼び出して使う。RAMの内容をハードディスクに保存しておくために、ディスクへの読み書きが頻繁に発生し、処理速度がかなり遅くなるのが欠点である。
かな詰め:
写植で、ひらがな・カタカナのみの字間を詰めて印字すること。
カラー印刷:
通常、C(藍)、M(紅)、Y(黄)、Bk(黒)の四色を刷り重ねて、すべての色を表現する印刷方法。
カラーパンチ(Color patch):
原稿の脇に付けて撮影したり、校正刷りの端に印刷するC・M・Y・Bkなどインキの色を示す色票。
カラーマネージメントシステム(Color Management System):
スキャナやモニタ、カラープリンタなどの入出力機器では、同一データを扱っているにもかかわらず、色の再現が異なることがある。そのため各入出力機器のカラー特性を考慮し、入力から表示、出力までの色再現を同一にする補正(キャリブレーション)が必要となり、その管理を言う。
CALS(Continuous Acouisition and Litecycle Support):
1985年アメリカ国防総省の軍事物資調達プロジェクトの名称。ネットワークやデータベースを高度に活用し生産性の向上を図る概念。その基本は文書などあらゆる情報の標準化であり、ネットワーク上で共通のフォーマットのデータを扱うことである。CALS文書の国際的なフォーマットのひとつであるSGML (Standerd Generalized Markup Language) はテキストデータの中にタグと呼ばれる情報を埋め込む方式を取っている。
漢字Talk:
日本語用にローカライズされたMacOS。日本語フォントやインプットメソッド(かな漢字変換ソフトウエア)も付属しており、日本語版のMacintoshにはすでに組み込まれている。
完全修飾ドメイン名:
DNSまたはTLDまで完全に条件付けされたホスト名
完全原稿:
用字用語など整理され、組版の指定も整備されている原稿。後の加筆訂正も予定がなく、すべての原稿が揃っていて整理もされている理想的な状態の原稿また、製版入稿に際し、指定・レイアウト・版下が完全にできており、すぐに製版にかかれる状態になっいてる原稿。
感嘆符:
記述記号の(!)。エクスクラメーション、あまだれ、とも言う。縦組みでは全角、横組みでは半角である。
観音開き:
見開きページが左右から内側におりこまれ仏壇の扉を開くように広げると、左右一連の見開き(4ページ)になる特殊な折り方による形式。雑誌の・パンフレットに多い。この折り方を観音折りと言う。
観音折:
雑紙の目次、パンフレットに見られる見開きページの特殊な折りの方式。紙を四つに平行して折るが、両側を内側に折り込む折りの方式。
外字(がいじ):
写植の場合、使用頻度が低くメーンプレートに入っていない漢字。いわゆる旧字・正字とよばれる三級・四級に属する漢字である。電算写植でも同様だが出力機に搭載されていない漢字。もしくは使用頻度が低いために外字コードで指示される文字・記号類のこと。
画素(Pixcel):
ビットマップイメージを構成する最小単位。ピクセル(pixcel)とも呼ばれる。
ガンマ補正(Gamma correction):
画像の階調の応答特性を表すときに「ガンマ(γ)」と言う数値が使われる。スキャナやカラープリンタなど、画像データの入出力機器はそれぞれ固有のガンマ値をもっている。画像を忠実に再現するためには、画像入力から最終出力までの全体のガンマが1になるようにする必要がある。入出力機のガンマ値に応じた最適のカーブに補正することをガンマ補正と言う。
【き】
菊 判:
JIS P 0202で決められている標準原紙寸法(636×939mm)。もしくは書籍の規格外寸法(152×218mm)
記 号:
文書を組むには、句読点の他にさまざまな略号・記号が必要であり、記述を代用させるために、慣例に従って作られた図形・文字・符号などがある。主な記号として記述記号・参照符記号・数字・科学・商用・生物学・気象・地理・順位記号などがある。記述記号を「約物」、それ以外を「しるし物」と大別する場合もある。
記述記号:
文章・語句の意味を明確にし、文脈を正しく表現するために付けられる記号である。約物とも言う。くくり符・くぎり符・つなぎ符・省略符・表音符・抑揚符など。
基準点:
写植・電算写植で印字の基準とする点。仮想ボディの中心を基準とする「センター・センター方式」と、仮想ボディの上辺中央、または左辺中央を基準とする「トップ・センター方式」とがある。レイアウト計算・字割り計算の時、重要な要素となる。
奇数起こし:
改丁・別丁起こしとも言う。奇数ページより新たに組み始めること。
亀 甲:
和文用くくり符(〔〕)。欧文では普通ブラケットを使う。
起動項目フォルダ(Startup items folder):
起動時に開きたいアプリケーションやファイルを入れておく。アプリケーションの場合はエイリアスを入れるのが一般的。
起動ディスク(Startup disk/startup device):
Macintoshを起動するときに使うディスク。フロッピーでもハードディスクでもかまわない。起動するディスクをコントロールパネル書類で、アイコンをマウスでクリックして選択することができる。
機能拡張書類(System Extentions):
システムソフトウェアの機能を補強したり、変更したりするための特別なファイルのこと。エクステンション(Extentions)とも言う。システムフォルダ内にある「機能拡張」フォルダの中に入れて使う。
機能拡張フォルダ(Extentions Folder):
機能拡張書類を入れておくためのフォルダ。システムフォルダの中にある。
機能拡張マネージャ(Extentions Manager):
起動時に任意の機能拡張を外したり、いつも使う機能拡張のセットを作ったりできる機能拡張書類やコントロールパネル書類の管理ユーティリティ。EM機能拡張と併せて使う。
黄 版:
プロセスインキの黄。Y版。
脚 注:
書籍・雑誌の組版面の下部に組んだ注釈。フットシートとも言う。
キャッシュメモリ(Cache memory):
CPUとメインメモリの間に高速な記憶装置をおき、メインメモリの一部データを格納/保持しておく。これをキャッシュメモリと呼ぶ。DRAMよりアクセス速度の速いSRAMを使うことが多い。
キャップ(Cap):
欧文の大文字「キャピタルcapital」を縮めた俗語である。
キャリブレーション(Carribration):
色補正機能のこと。画像の入出力で常に問題になるのが、デバイスごとの色の違いである。例えば、スキャナ→モニタ→プリンタと言う流れで画像を出力する場合、各々のデバイスごとの色の違いを補正する必要がある。この色の違いを補正して色を統一する方法をキャリブレーションと言う。
級(Q):
写植文字の大きさの単位。1mmの1/4 (0.25mm) を1級としている。1/4を意味するquarterの頭文字をとり「Q」で表示する。IQは1歯と同じ数値単位だが,1歯は移動量を示す。#で級を示す場合もある。
共有設定(Sharing Setup):
ファイル共有などの設定を行うためのコントロールパネル書類。AppleTalkネットワークIDの設定や、ファイル共有やプログラムリンクの設定を行う。
切り抜き:
写真原稿などで人物や商品など必要な部分のみ使い、他を除去すること。製版の作業工程では集版時に絵柄に重ねたマスク版を加工して表現する。写真などを直接切り抜くわけではない。また、デジタル処理では、コンピュータの画面上で不必要な部分を除去している。
キロ連:
紙の単位で1000枚を1連(R)と言い、1連あたりの1000枚1連の重量をkgで表示したものをキロ連量と言う。
金:
赤 紅(マゼンタ・M)と黄(イエロー・Y)の、100%どうしのかけ合せでできる鮮やかな赤(朱色)。特色の金色の種類を示す赤金(アカキン:赤味がかった金色のこと)とはまったく別の物。
禁則処理:
文字組版の約束事に禁則あり、その禁則を守るための処理を禁則処理と言う。禁則には可読性や体裁を整えるために行頭・行末には約物(句読点・カッコ類・符号・数学科学商用記号など)の一部がきてはならないと言う約束がある。また、数字・単位記号など分割してはならないものもある。これらの行頭・行末・分離禁止などの禁則を避けるための処理法で、約物類の前後を詰めて前行に追い込んだり、字間を割って次行に追い出したりして全体のバランスを考えながら調整していく。
均等揃え:
写植で指定されて範囲に文字列を均等に間をあけて並べること。
均等詰め:
写植で正規の字送り量よりも詰めて等間隔で送ること。例:13級12歯送りなど。
均等割り:
電算写植などで禁則処理の結果、次行に文字を追い出して、余ったスペースを文字間を均等に空けることによって行長を揃えて調整すること。
行送り:
写植において各行の間を開ける量。基準点の移動によって次の行に移るため、同級の行送りの計算は、行間(行の空きスペース)+文字の大きさ(級数)となり、異なった級数の行送りの計算式は、(1行目の級数÷2)+行間+(2行目の級数÷2) となる。
行 間:
行と行の間のスペースを言う。歯数で表示する。
行書体:
楷書体をややくずした書体。あいさつ状・名刺などに使われる。
行揃え:
文字組の行頭・行末を揃えて、行長を一定にすることを言う。和文組では、行頭・行末・分離禁止などのため調整が必要となる。欧文組版では語間の空きで調整する。ジャステフィケーション。
行 長:
1行の長さ。1行あたりの文字数、字詰め。普通50字を越える行長は避けたい。
行頭禁止約物:
行頭につけてはいけない約物で句読点、受けの拮弧類などがある。従来、拗促音もいけないとされていたが、近年はそれを良しとしている場合もある。
行頭禁則:
組版の際、行頭においてはならないとする文字・約物類がある。行頭禁則文字として拗促音・踊り字・音引きなど。約物として句読点・括弧類の受け・感嘆符・疑問符などがある。これらを処理することを行頭禁足処理と言う。
行取り:
見出しの取る行数は、本文中に、見出しを入れる時、そのスペースは本文行数の整倍数が基本である。可読性と言う点から、表裏の行数・行間が一定していることが望ましい。
行末禁止約物:
行末にきてはいけない約物類。括弧類の起こしなどがある。
行末禁則:行末の組版で禁則とされている形。対象として、約物の括弧類の起こしなどがある。
【く】
空白処理:
空白処理には固定ブロックと浮動ブロックがある。各項目を参照。
クォーテーションマーク(Quotaion marks):
記述記号のひとつでくくり符とも言う。オックスフォードルールでは(“”)を使い、シカゴルールでは(‘’)を使っている。
区切り符:
記述記号で語句・文章の区切りに使う。句読点・カンマ・ピリオドなどがある。和文の句読点は縦組用・横組用がある。
句読点:
表記法の句点(。)と、読点(、)で、区切り符とも言う。縦組用・横組用とがある。横組ではコンマと句点(、。)、コンマとピリオド(,.)を使う場合とがある。句読点が使われるようになったのは明治の中頃からである。
口 絵:
書籍の前付きに入れる別刷りの図版・写真などのページ。普通、本文と違う用紙を使い。色刷りなどして印刷効果を高める
組替え:
組版が指定と違って組まれた場合や、体裁の変更、大量の追加・訂正が生じた場合、新たに組み直すこと。
組体裁:
書籍・雑誌などの基本的な組方を言う。
組版(Composing):
本義は活字凸版印刷の作業を指す。活字・込め物・罫線などを組み合せて版を作る作業を指していた。活字による組版はほぼなくなった現在でも組版と言う言葉は使われている。電算・DTPとシステムは変わっても、文字を主体とした印刷物の文字などの組み方、あるいはその作業全般を指すようになってきている。
組版指定書:
文字組版についての全般的要項(ルール)を明記した文書。組方(縦・横組・段数、本文の文字の大きさ、書体、字詰、行数、行送り、柱、ノンブル)などを総括的に指示する文書である。
組版ルール:
組版の作業をする際の基本的な様式。出版社によって、その社独自のルールを設定する場合もある。一般的には慣習に従うか、組版作業者に一任される。電算による組版が増えるにつれて、熟練者が少なくなり、組版ルールを知らずに進める人たちが多くなり、ルールの乱れが目につくようになってきている。現在使われているルールは、オックスフォードルールを下敷きにしたものである。
クラッシュ(Crash):
ハードディスクが物理的に壊れること。
繰り返し符:
和文の記述記号で前接する字を反復するときに使う。漢字では(々)、平仮名では(ゝゞ)、片仮名では(ヽヾ)、語句を反復するときは「大返し」を使う。
クリック(Click):
マウスのボタンを押して、すぐに離す操作。マウスのカーソルが指している部分と連動し、その位置にある機能が働く。画面上のボタンの位置にカーソルを移動し、そのままマウスでクリックすると、ボタンに割り当てられた処理を実行する。この操作を「ボタンをクリックする」と表現する。
クリップボード(Clipboard):
コピーやカットをしたデータを一時的に記憶しておく場所。クリップボード内容は、ペースト機能で他の書類にも取り込める。データはペーストでは消えないが、一度に1つのデータしか記憶できないため、次にコピーやガット機能を使うと、前のデータは消えてしまう。また、再起動しても消える。クリップボードを表示させると、中にあるデータを見ることができる。
くるみ・くるみ表紙:
表紙を中身に取り付ける製本工程の作業。また、表紙で中身をくるみ、化粧断裁で仕上げる仮製本様式のひとつを言う。
クローズ(Close):
ウインドウを閉じること、またはそのコマンド名。Finderや多くのアプリケーションでは、「コマンドW」でウインドやファイルを閉じることができる。
クロス(Cloth):
本製本の表紙に使う素材。紙をベースに加工したものを紙クロス、布をベースにしたものを布クロスと言う。
クロック周波数(Clock):
コンピュータは、水晶など安定化した基準パルス発生器が発生するクロックパルスに合せて作動している。このパルス周波数をクロック周波数と言う。コンピュータの演算スピードの目安とする。MHz(メガヘルツ)で表わし、値が大きいほど高速になるが、CPUの種類が違えば、同じクロック周波数でも演算スピードは異なる。
偶数ページ:
出版物のノンブルは慣例として、横組(左開き)は左ページが、縦組(右開き)は右ページが偶数のページとなる。
グラデーション:
平網、写真等の濃淡度。階調。
グレースケール(Gray scale):
コンピュータで画像を扱うときは、点の集まりとして表現する。単純なものは白と黒の2種類の点だけで表わすが、写真のような中間調のある画像を扱うためには、各点に濃さの情報をもたせる。このように階調情報をもった画像データの表現方式を、グレースケールと呼ぶ。Macintoshでは、256階調(8bit)のグレースケール画像が表現できる。
【け】
罫下(けした):
ページの下部の断ち切り線から版面までの余白。
罫下合せ:
ページ物印刷で面付合せで印刷する際、各ページの罫下と罫下を合せて配列すること。縦組・右開きの書籍に適用される。
毛ぬき合せ:
写真と写真、写真の中の文字、網と網などすき間なくぴっり合せる製版での作業を言う。語源には二説あり、合せ目が髪の毛一本も入らないと言う説と、面と面が紙の毛一本分重なり、印刷された時にまったく白地の出ない状態を言う説とがある。DTPではトラッピング処理と言う。
ゲ タ:
伏せ字、ゲタ文字とも言う。本来は活字組版からきた用語で指定の文字がない場合にとりあえず、同サイズの活字をひっくり返して組んだもの。下駄の歯(=)のようなものが印刷されたので「ゲタ」と呼ばれた。写真植字では三級・四級文字盤(旧字・正字)などがない場合仮に印字され、電算写植では出力機に登録されていない文字などが指定された場合、ゲタ文字となって出力される。
下 版:
一般的には「校了」することである。語源は、かつて活字組版時代には、二階に活版室があり、階下に印刷室がある、と言うような仕組みで、組み上がった版を階下に「おろす」と言うところか生まれた。同義語に「おろす」、がある。校了になった版下を製版に引き継ぐ、あるいは製版した物を印刷に引き継ぐことを言う。校了となった分の製版を印刷工程にまわすこと。したがって、下版後の直し、変更は原則としてできない。
ゲ ラ:
本来は活版用語で、活字組版を収納する浅い角型のケースである。校正刷りはこのまま印刷して出校したところから、校正刷りをゲラ刷りと呼ばれた。この言葉がそのまま踏襲され、現在でも校正刷りをゲラ刷り、もしくはゲラと呼ばれる。
原 稿:
印刷物を作るのに必要な、全ての材料のこと。発注元から印刷所まで、数多くの人や場所を渡ることになる。
原稿校正:
原稿の段階で行う校正。書き写した原稿(リライト)、すでに印刷物となっていて組み直す原稿などに対して言う。
原稿指定:
組み方について具体的な指示を原稿に書き加えること。指示記号は校正記号を使う。
原稿整理:
でき上がった原稿類の品質をチェックすること。文書表現のルールを決め、文体、外国語の表記や括弧の種類を統一する。一覧表を作ることが望ましい。そうすれば文字校正まで一貫した作業が出来る。
原 色:
印刷などの色材では、C(藍)、M(紅)、Y(黄)。色光では、B(青紫)、G(緑)、R(赤)の三色を言う。混合することですべての色を作り出すことのできる基本的な色。色材の三原色による混合は、藍+紅で青紫、紅+黄で赤、黄+藍で緑、藍+紅+黄で黒となる。光の三原色による混合は、青紫+緑で青、緑+赤で黄、赤+青緑で紅、青紫+緑+赤で白となる。
原寸大:
原寸・現寸とも言う。原稿と同じ大きさ。図版・イラストなどを仕上げの寸法で描くこと。製版では版下と同じ寸法で仕上げることなどを言う。
【こ】
コート紙:
塗工(被)紙、コーテッド・ペーパーの一種。上質紙か中質紙をベースにして、コート剤の塗工量が10g/m前後とアート紙の半分の厚みを持つ。アート紙よりは光沢の平滑度は劣るが、仕上がりが良いので一般的な印刷用紙として最も多く使われている。
コード変換:
異なった機種のコンピュータ間で、使用するコードが異なる時、コードの変換を行うこと。コードコンバート(code convert)
校 正:
原稿と校正紙あるいは校正刷りとを照合し、誤りや不備をチェックし、校正紙などに訂正指示を加える作業。文字校正・レイアウト校正・版下校正・青焼き校正・色校正などの種類があり、校正の結果、訂正の指示は校正記号を使って行われる。
校正紙・校正刷り:
白校正などを目的に印刷されたもの。オフセット印刷では校正機と呼ばれる専用機を使う。したがって本刷り(本機刷り)とは使用する刷版・機械・インキなどが異なるためにギャップが生ずる。校正刷りは好条件で印刷するためにすぐれた仕上がりになる。そのため校正刷りと本刷りとを一致させんがために各社それぞれ基準データを蓄積し対応している。本来は校正機で印刷することを校正刷りと言うが、この校正を目的として印刷されたそのもの自体を「校正刷り」と呼ぶようになってきている。
後 注:
書籍の本文の編・章・などの段落の次に、または巻末にいれた注釈。
校 了:
校正が完了したこと。また、校正紙(刷り)に記入された訂正指示の通りに、すべて訂正が終わり、印刷しても差し支えない状態になった時を言う。
国際版:
一般的にレターサイズ(216×279mm)を指して言う。
小 口:
厳密には本のノド(とじ目側)以外の三方の紙の切り口。とじ目の反対側を前小口と呼ぶ。前小口を単に小口と呼ぶ場合もある。
小口装飾:
本の小口を保護・装飾の目的で加工することの総称。三方金・天金・色付け小口・マーブル小口などがある。
小 組:
ページ物組版の一部に、別形式で組まれる表組・別本文組など。ブロック編集。
コットン紙:
ラフ目で光沢のない書籍用紙。軽量でかさ高だが、弾力性に富んでいる。
固定長情報:
文字情報をコンピュータで処理する場合、語数または文字数がブロック毎に一定の長さになっている情報。
ことえり:
日本語入力プログラム。「言選り」から付けられた名称。インプットメソッド(IM)とも呼ばれる。機能のすべてをキーボードショートカットで呼び出せるほか、かな漢字変換だけでなく、記号入力、コード入力、部首指定による入力が選択できるなどの特徴がある。辞書を管理することえり辞書ツールといったユーティリティやことえり基本辞書、ことえり固有名詞辞書、Finder辞書。ことえり追加辞書、ことえりユーザー辞書、AppleScript辞書、Finder辞書などの辞書が付属する。
コピー&ペースト(copy and Past):
文書や画像の一部(もしくは全部)をコピーし、別の場所に貼り付けること。
コマンド(Command):
ユーザーがコンピュータに対して与える命令のこと。Macintoshの場合はプルダウンメニューなどに含まれている。
小見出し:
本文のすぐ前に置かれる文書のこと。本文より一回大きく、太い書体が使われることが一般的。
米じるし:
参照符記号のひとつ。米屋のマークに似ていることから付けられた日本だけの記号(※)。アステリスク(*)とは異なるので注意。
コロン(Colon):
欧文記述記号の一つ(:)。前の部分で述べたことを更に詳しく説明する場合や、対話文などで発言者と発言内容を区切る場合などに使われる。
コンセンサス(Konsensus):
一般的には版の仕上がり状況の確認目的で使用、略してコンセと呼ばれる場合が多い。
コンテンツ(Contents):
映画や音楽の作品としての中身や内容。マルチメディア時代にあってはこれをいかに充実させるか、いかに活用するかといったコンテンツビジネスが重要となる。
コンバート(Convert):
プログラムやデータを別の形式に変換すること。表計算ソフトのデータをテキストデータに変換したり、画像データの形式を変えるようなとき、「コンバートする」と言う。データ形式を変換するソフトをコンバータと呼ぶ。
号:
和文活字の大きさを示す単位。近代活版印刷を始めた際に使われた単位である。五号(10.5ポイント)が基準である。
合紙:
板紙を二枚以上に貼り合せたもの。厚い板紙は一度に杪けないため、何枚かを貼り合せて必要な厚さにする。
合字:
二字以上を組み合せて一つの文字にしたもの。和文では古文書や漢文訓読分などで使われ「杢(木と工)」「麿(麻と呂)」など。欧文では、リガーチュアと言い、2字をひとつのボディに収めた字形を指す。
号数:
日本の活字のサイズの単位。五号(10.5ポイント)が基準である。大きい順から初号・二号・三号・四号・五号・六・七・八号がある。さらに「新号」と呼ばれる単位の活字がある。
互換性(Compatibility):
異なるOSで同じソフトウェアが使えることや、異なるソフトフェアで同じファイルフォーマットが扱えることを指す。 PowerMacでは、68K Macのアプリケーションを使えるので「互換性がある」と言う。逆はできないので、「上位互換」と言う。
ゴジック体:
点・画の太さがほぼ等しく、うろこのない和文書体。欧文書体では一般にセリフのない肉太のサンセリフ系書体をさす。本来は通称ドイツ文字と呼ばれる書体がゴシック体である。略称として、ゴチ・ゴジ・ゴ・G などと呼ばれる。
【さ】
再校:
初校戻しの赤字を訂正した二度目の校正。二校とも言う。
最低ロット:
印刷部数3000部以下のこと。版下費と製版費は部数にかかわりなく同じである。発行部数が増えれば用紙代や印刷費は増える。しかし3000部以下の場合、100部でも500部でも3000部として計算される。
作字:
二種類以上の字体から、写真植字では偏・旁などを組み合せて作る文字。合成文字だが、合字とはまったく異なるので注意。
差し替え:
校正の指示にしたがって、組版中の書体・約物・罫線などを加除・訂正する作業を言う。訂正が多い場合は「組替え」となる。
刷版(さっぱん):
印刷版の略称。オフセット印刷機に取りつけられる実用版(本刷り用)、アルミ版・などに、製版で作られたフィルムからインキの乗る部分(画像部)が焼きつけられる。
ゴジック体:
点・画の太さがほぼ等しく、うろこのない和文書体。欧文書体では一般にセリフのない肉太のサンセリフ系書体をさす。本来は通称ドイツ文字と呼ばれる書体がゴシック体である。略称として、ゴチ・ゴジ・ゴ・G などと呼ばれる。
刷了(さいりょう):
印刷物が全部刷り上がった状態。印刷完了の略称。
サフィックス(Suffix):
下付き文字。字面がボディの下方に小さく寄っている文字。理工学者の組版でローマ字の右下または左下に付けられる小さな文字。
サブタイトル:
大きなタイトルのすぐ脇にある、小さな書体で内容を補足説明するもの。使い方を工夫するとリードと同じような役割を果たす。
参照符:
書籍や論文などの文章中で注記を付ける場合、その参照する場所に付ける符号。欧文ではアステリスク(*)、ダガー(†)、ダブルダガー(‡)、セクション(§)、パラレル(_)、パラグラフ(¶)の順で使用する。
三点リーダー:
和文では全角三点リーダー(…)を指す。視線を導くための点線で、基本的に2全角使用である。欧文ではピリオドを三分アキで組む(…)。
更紙(ざらがみ):
非塗工紙のひとつ。化学パルプ40~70%のものと40%以下のものがある。白色度も低く、表面の平滑度も劣っており下級の印刷用紙である。週刊誌・マンガ雑誌・新聞などで使われる。
【し】
CG(Computer Graphics):
コンピューターを使用し、画像、動画を作り出すことで実際には得られない特殊効果が得られる。テレビ番組のタイトルや映画などに盛んに使われる。
CD(Compact disc):
コンパクト・ディスク。オランダのフィリップ社が開発した大容量記録メディア。最初は音楽専用(Compact Disc Digital Audio)として登場したが、わずか12・のディスク片面に540Mbの容量を持っているためにコンピューター用の記録メディアとしても利用されるようになった。読みだし専用のCD-ROMやCDV、CD-・、書き換えが可能なCD-R、CD-E、CD-MOなど様々な製品があり、それぞれに規格が定められている。元が音楽用であるために読み込み速度が遅い欠点があるが、倍速ドライブが開発され改良が進んでいる。
CD-ROM:
Compact Disk Read Only Memoryの略。コンパクトディスクをメディアにした記憶装置。12・のディスクに約600MBの情報を蓄えられる。ROMなのでユーザーがデータを書き込むことはできない。
CD-R0M Writer:
CD-ROMの規格を拡張した書き込み可能なディスクに、データを書き込む装置。
仕上がり線:
印刷物を仕上げ断ちするための仮想線。通常、製版線より3・内側に設定される。レイアウトでは、実線で指示されるが、版下上で仕上がり線を引かれることはない。印刷物の四隅におかれた角トンボの内側の線が仕上がり寸法を示す役割を持っている。
シアン(Cyan):
プロセスインキの藍(藍)。藍版。C版。
私製郵便物規格:
私製郵便物について寸法などの一般的規格がある。寸法規格は、通常はがき:90~107・(短)×140~150・(長)。往復はがき:140~150・×180~214・。封筒:90~120×140~235・。となっており、郵便番号記入枠や承認番号など細かい規程がある。
指定紙:
写真・図版・文字組などが入る位置・大きさ・トリミングなどを指示したもの。レイアウト。版型・文字の大きさ・書体・字詰め・行数・行送り・ノンブル・罫線の種類、さらに製版の指定など、印刷のための基本となるあらゆる情報が盛り込まれている。
シノゴ(4×5) :
4×5インチ(約10・×12.5・)サイズのカメラフィルム。カタログなどのメーン写真用に撮影するならば、このサイズで撮ることが望ましい。
四分:
全角の四分の一を意味する。四分アキなどと使われる。
シャープネス(機能):
スキャナーの持ち機能のひとつで、印刷物にした時失われる原稿の階調性を回復させるために使われる。光学的(USM)や電気的(ピーキング効果・クリスプニング効果)な処理方法を使って、人間の目の特性に合ったディティール強調を行い、見かけのコントラストを強調しようとするもの。
写真植字:
略して写植とも言う。ネガ状になっている文字盤から必要な文字を選択し、光学的に印画紙に焼き付けて印字し、文字組版を行なうシステム。レンズを使って文字の拡大・縮小・変形が出来る。1925年、文字の大きさの単位は級とし、1級=0.25・。メーカーとして、写研・モリサワ・リョウビがある。90年代初期まで組版の主流として活躍していた写植だが、現在は電算植字のサポートとして利用されている。
写真版:
狭義には写真凸版を指す。銅版・亜鉛版を腐食させて、濃淡を網点の大小に変えて表現した凸版。広義にはグラビア・オフセット印刷の写真の版をも言う。
斜線」:
記述記号の区切り符(/)。全角・二分・三分がある。和文の語句の区切りに使う場合は全角、欧文の区切りに使う場合、分数に使う場合は二分ないし三分のものを使う。全角はダイヤゴナール(diagonal)、二分はスラッシュ(slush)、三分のものはソリダス(solidus)と言う。
斜体:
写植機の変形レンズの操作により、字形を右肩上がり、左肩上がりに変化させること。電算植字の場合はスラントと言う。
シャドウ文字:
影文字と同じ。
集版:
フィルム状の台紙や分解などを指定に従って各色ごとの一枚のフィルムにまとめること。通常、製版とかレタッチと言っているのはこの作業及び作業者のことを指している。オフセット印刷では、ネガの各材料を製版フィルムに焼き込んでポジフィルム(原版)にすることが多い。
縮尺:
組版・製版で図版、写真などの拡大・縮小の比率、%表示が理想的である。天地あるいは左右○・に拡大、縮小などと記す。または、地図・図面などで比率を示すためのスケールを言う。
出稿:
整理・指定の終わった原稿を印刷所(組版所)に渡すこと。
出力:
コンピュータの中央演算処理・記憶装置から、目にみえる具体的なかたちに変換し、外部にデータを取り出すこと。電算写植では、紙にプリント、印画紙の場合は文字などを露光させる。
出力機:
電算植字、DTPなどで編集処理したデータを印字するシステム。紙への出力はレーザ方式が多く、システムに搭載しているフォントをデータから呼び出してラスタ式で出力する。普通紙・印画紙・フィルム出力などがあり、さらにオンデマンド印刷による出力、CTPと呼ばれるダイレクト刷版など、多様な出力機がある。
ショートカット(Shortcuts):
何題階かの操作を1つの操作で行なえる機能。マウス操作をキーボードで代用するキーボードショートカットを指す場合が多い。ナウユーティリティのナウメニューで簡単にショートカットを割り当てることができる。
商用記号:
商取り引きに関する記号の総称。ドル($)、セント(¢)、ポンド(£)、円(¥)などの貨幣記号。アットマーク:単価(@)、アカウント:勘定(a/c)などの符号。
省略符:
語句・文字などを省略したことを示す符号。――、 。欧文ではピリオドを三分アキで並べる(…)。
緒言:
前書き、はしがき。ちょげんとも言う。
初校:
発注者に指定通り印刷物ができあがっているか、最初に出校する校正刷り。初校の赤字を訂正した後、再度出校することを再校と言う。
シルク(SYLK):
Symbolik Link Formatの略。表計算ソフトで使われるフォーマットのひとつ。種類の違う表計算ソフト間でのデータ交換に使われる。表形式のままデータを保存するため、表計算ソフトのデータ交換ではもっともよく使われる。
字送り:
写真植字・電算植字において、文字と文字の間を空ける量。仮想ボディの基準点を移動させて次の位置に印字するため、移動量とも言う。
字下げ:
文字組版で、文章の書き出し、改行の行頭、箇条書きの折り返し、数式など標準字詰めより下げて組むこと。改行の行頭は一字下げが普通である。インデント。
JISコード:
日本工業規格JISにより定められた文字コード。英数についてはASCIIに準拠しているが、¥マークや1バイト半角のカタカナ等を追加し、2バイト全角のひらがなやカタカナ、漢字などを規格化している。
字面(じづら):
印刷された、もしくは印字された文字の見た目の大きさなど。
Zip:
Iomega社が開発した磁気ディスク。100Mbyteの容量を持ち、極めて高速なデータ転送時間性能を持っている。装置、ディスクともに安価なのも魅力である。
字詰め:
組版の際、一行に収容される文字数。和文の場合、文字の大きさが正方形(仮想ボディ)であることから、一行何文字と指定が出来る。欧文はそれぞれ文字の幅(セット)が異なっていて文字数では設定が出来ないためにem(エム・全角)数で表わす。
自動現像機:
ひとつの機械の中で、現像・定着・水洗・乾燥までを行なう現像機。単体の物や、撮影・出力部と一緒になったものまで様々である。通称「自現」。
字取り:
字取り組。電算植字で指定された行長に合せて、自動的に字間を均等に割り振る方法。
字取り組:
見出し・柱・表組などで固定された長さに一定倍数に字間をあけて組み込む様式。9字取り・7字取り・5字取りなど奇数の倍数をとると言う慣習がある。
地紋(じもん):
紙の地に刷りだした模様。
Java:
Sun Microsystemsが開発したオブジェクト指向プログラム言語。機械やOSに依存しないプログラムの開発ができることが特長、またJava言語ネットワークに対応しているのでインターネットのホームページ中にアプレット(Java言語で作成したミニサイズのプログラム)をタグとして埋め込めばHot Javaと呼ばれるWWWブラウザで実行することができる。プログラムサイズが極めて小さいのでネットワーク上でプログラムを実行するのに適している。
順目:
本の背に対して紙の繊維の流れが平行になっていること。本が開きやすく、紙の目にそって折りやすい。
上質紙:
化学パルプ100%を原料とし、非塗工紙中ではもっとも白色度が高く印刷効果も良い紙で、高級書籍の本文紙や見返し、表紙、情報紙、事務用品等に用いられる他、塗工紙のベースとしても使用される。
序文:
著者が刊行動機・目的・経過・協力者への謝意などをまとめた巻頭の文章。緒言。
字割れ:
表組などを組む時、各行・各欄の字取りを決めること。最大字数の行を基準として、体裁よく収まるように設定する。
ジャスティフィケーション:
1行の長さを決め、文字・語句をそのなかに均等に納める文字組の方法。欧文組版で重視される組方式のひとつ。
【す】
数学記号:
数式に使われる記号。演算記号・幾何記号・算用記号などがある。(+-×÷±=∞<≧∴)などがある。数式の組版は多くの約束事があり、複雑である。
数学表記法:
縦組は、漢数字(一・二・三)による表記がふつうであり、数字を並列する。十・百・千などの単位を漢数字の間に入れる。万・億・兆などのみを4桁毎に入れる、などがある。横組では、アラビア数字を使い、末尾から3桁毎にカンマを入れる。
スキャナ(Scanner):
製版における画像の入出力装置。原稿を機械的、電子的方法で走査(スキャニング)し、原稿濃度の濃淡を光電子倍増管(フォトマル)、CCDで電気信号に変換した後、倍率、階調修正、色修正、シャープネス修正を施して色分解する装置。カラースキャナとモノクロ(白黒)スキャナに大別できる。カラーは透過原稿、モノクロは反射原稿が主に使われる。原稿のセット方法、スキャニング方法でフラットベッド(平面)式とシリンダー式とがあるが、モノクロスキャナはほとんど前者。
スクラップブック(Scrapbook):
アップルメニューから開けるアプリケーションで、あまり大きくないテキストや絵、サウンドなどをいつでも使える形で保管する。データの取り込みはクリップボード経由またはドラッグ&ドロップでできる。データの形式やフォーマットサイズが下に表示される。
スクリーン角度:
網点角度と同じ。45°を軸に75°、15°、0°もしくは90°の4つが基本とされるが、スキャナでは走査線の関係もあり若干異なった角度を使っている。DTPでも原理上、若干の誤差が出る。
スクリーンセーバー(Screen saver):
モニタに同じ画像を長時間にわたって映していると、その画像がモニタに焼き付いてしまう。この焼き付きを防止するために、一定時間ごとにモニタに動画を展開するプログラム。
スクリーン線数:
網点線数と同じ。新聞(更紙)は65~100線、雑誌(上質・コート、アート紙)は133~175線、高級印刷物(特にアート紙など)は200線以上がよく使われ、線数が多くなる程原稿の階調に近づくが、ドットゲイン(網点のつぶれ)が起きやすくなる。このため線数は印刷の方式、用紙、機械の精度、用途や目的によって選択される。
スクリーンフォント(Screen font):
画面表示用のフォント。ビットマップフォントとアウトラインフォントがある。
スクリプト(Script):
Apple ScriptやHyper Talkで書かれたプログラム。スクリプトを書くためのエディタを「スクリプトエディタ」、スクリプトを書くことを「スクリプクティング」と言う。 また、欧文文字の書体の一つで、手書き文字に似せた書体。文字と文字が接続し連なっているのがジョイニングスクリプト(連綿体)。接続しないものはノンジョイニングスクリプトと呼ばれる。
スタンド・アロン(Stand Alone):
ネットワークには接続されず単独に設置されたコンピュータ。処理を行なうためのデータの受け渡しは、磁気テープやフロッピーディスクなどの記憶媒体でやりとりをする。
ストリップ:
ストリッピングフィルムを用いて行なう原版修正方法。ストリップ修正。ネガ台紙から露光した後、薄い膜状に剥がしたフィルムに専用のノリをつけて原版に貼り込む。文字や図版の部分的な修正に使用され、作り直しや再出力の手間を省く。ただし、抜き合せになっている部分や、同一版上で網の上にのっている文字などには使えない。使用するノリは、ベタ状の物を貼る時はアドヒューズ、網状の物にはフィルムセメント(水のり)を使い分ける。
砂目スクリーン:
特殊なコンタクトスクリーンの一種で、網点の配列がランダムになっており、砂をまき散らしたような形状になっている。現在ではスキャナで砂目分解できるようになっている。
スペーシング(Spacing):
欧文の語間・字間のアキ。
スペース:
印刷物の版面の大きさ。組版では、字間・行間などのアキの大きさ・面積などを指し、使用する文字のサイズを基準に全角・倍・二分・三分・四分などと呼ばれる。
スペック:
カタログや広告などに記載されている商品の寸法や重量、特徴的な機能などを明示した性能書きのこと。
墨(スミ):
黒の慣用色名である。印刷では「くろ」とは言わない。K・Bk・BL・BI・ブラックなどで表記するのが慣例となっている。
スミ角(墨角):
4色分解した時に墨版に設定されるスクリーン角度。オフセッ ト印刷の場合、基本的には45°に設定するが、4色分解時の墨版は補助的な役割が強く濃度が低い場合が多いので、75°や15°に置き換えられることが多い。これは、45°が一番網点の存在が分かりづらい角度なので、そこにMなど目立つ色を設定した方が都合がよいため。集版で網伏せをする場合、最初から45°はMに設定して作業をしている。
すみ付きパーレン:
和文用のくくり符、パーレンの一つ(【 】)。
墨(スミ)版:
印刷では黒を墨といい、カラー印刷の黒版を指す。Bk版、BL版。
スミ版カープ:
スミ版のグラデーションカープ。スケルトンブラックとフルブラックに分類される。絵柄のシャドウ部を主体に分解した物をスケルトンブラック、絵柄全体にスミの入ったものをフルブラックと言う。これらはスキャナで自由に設定できる。通常フルブラックは黒いカメラや皮靴などスミを主体とした絵柄に用いると有効である。
スムージング(Smoothing):
ドッドで描いた文字や絵は、拡大するとギザギザが目立つので、コンピュータで処理して滑らかに機能。
スモールキャピタル(Small capital):
スモールキャプ、小頭文字とも言う。欧文のローマン体、イタリック体の大文字を小型にした文字。字面の高さは小文字とほぼ同じである。指定・校正記号ではs.c.またはアンダーラインを二本引く。
図版原稿:
一般には階調のない線だけで描かれた図、グラフ等の原稿をさすが、線が主体のイラスト等を含めて言う場合もある。
図版率:
本文に対し、図版や写真の占める面積比。
刷本:
すりほん・さっぽんとも呼ばれる。刷り上がった印刷物の総称である。
【せ】
背:
書籍の前小口の反対側。厚手の書籍に書名などが入っている。
正階体:
毛筆の楷書体に似た和文書体。
製版フィルム:
写真製版で使われるフィルムの総称。銀塩を使用した感光性フィルムだが、カラー発色はしない。現像後は黒と透明(白)のモノトーンになる。感光特性(=光の波長域)によってレギュラー・オルソ・パンクロなどに、感度によって撮影露光タイプと密着露光タイプに、使用機器によって連続調用と白黒調用といった具合に様々な種類がある。製版フィルムは通常、ネガ→ポジ、ポジ→ネガといった具合に工程毎に明暗が入れかわる性質を持つが、明暗が変化しない特別な物もある。
責任校正:
発注者からの依頼で印刷所(受注者側)で行なう校正。
責任校了:
印刷所(受注者)が責任をもって訂正することを条件として発注者が校了とすること。訂正個所が少ない場合や納期が迫っている場合などに行なわれる。責了とも言う。
背丁・背標:
背丁は製本の丁合い時に乱丁、落丁を防止するために、折丁の背に順序を示す文字のこと。文字には本の品名、折りの番号を印刷してある。背標は、背丁と同じ目的で背の部分に入れられる■や●の記号のことで、丁合いが正しいと記号は斜めにきちんと並んで、乱丁、落丁、取り込みがわかるようになっている。入る位置は、各折の最初と最後のページの間の背の部分で、下版時にストリップで貼り込む他、台紙から入っている場合もある。普通、本の構造上中綴じの本には入れない。
セット(Set):
欧文文字の幅。欧文は、和文の漢字や仮名と違い、それぞれ字幅が異なっている。
背文字:
書籍の背の部分に印刷・箔押しなどで付けられる。書名・著者名・発行書など。
センチュリー(Century type):
欧文書体の一つで。和文との混植にバランスのとれる書体である。本文用として最も活用されているファミリーである。
全角:
和文文字で使用する一文字分(仮想ボディ)の大きさ。欧文ではem(エム)と言う。
全角欧文:
縦組用に仮想ボディの天地左右中央に設計された欧文。同様のものに全角単位の記号がある。
全判:
印刷用紙で原紙規格寸法(仕上がり規格とは異なるもの)で、断裁されていないもの。A全判・B全判・四六全判・菊全判などがある。
センター揃え:
中央揃え参照
【そ】
ソート(Sort):
「分類する」と言う意味。アルファベット順や五十音順、数字の大きさで並べ換えること。小さいほう(先のほう)から大きいほう(後のほう)へ並べ換えることを昇順、大きいほうから小さいほうへ並べ換えることを降順にソートすると言う。
添え字:
文字のかたわらに付ける上付き文字・下付き文字。
促音:
詰まる音。表記法ではブック・がっこうのように小さい文字で表わす。
俗字:
一般に簡略字を指しているが、常用漢字において制定された漢字は簡略されているが俗とは呼ばない。俗字の多くは筆写する際に書き間違えたものがそのまま慣例となっている場合が多い。俗字に対しての正字の根拠となるものは1716年に中国で作られた康熈(こうき)字典(所収47,000余字)である。
【た】
ターミナルアダプター(TA):
ISDNのインターフェースに対応していないFAXなどの通信機器をISDN回線に接続するための装置。モデムや一般の電話機と接続できるようにアナログ変換する機能をもつ。DSUを内蔵したものもある。
対角線相似法:
図版の縮尺・拡大の比例出しの方法。長方形などの対角線上、またはその延長線上のある点から、二辺またはその延長線に垂線を下ろすと元の長方形との相似形が得られる。
対向ページ:
書籍・雑誌などの折丁に従って向かい合った偶数・奇数ページ。16ページものの折丁では1と16、2と15が対抗ページとなる。中とじの場合は64ページものの場合、1と64が対抗になる。
タイトバック(Tight back):
本製本の背の様式の一つ。中身の背に厚紙を貼って固め、表紙の背と密着させたもの。開き具合が悪く読みにくいが、背の形は壊れにくく丈夫である。
裁ち切り線:
レイアウトに引かれた仕上がりの線。裁ち切りの写真・図版などはこの線の外の3・まで入れる。版下にこの裁ち切り線(仕上がり線)は入れない。裁ち落としともいう。
裁ち切り版:
誌面の構成上、写真・図版などを仕上がり一杯まで使用する版。断裁の分として仕上がりよりも3・程度大きく製版する。
裁ち代:
印刷物の仕上げ裁ちの際、裁ち落とされる部分。通常3・必要である。
タテ組み:
新聞記事や週刊誌の文章のように文字が縦方向に流れている組み方。
単位記号:
長さ・面積・時間・速度などの単位を示す記号。JIS Z8202の量記号・単位記号、化学記号に従うことが多い。縦組では全角の単位記号を使い、横組では本来のローマ字を並べて使うのが一般的である。
単純符号:
欧文を符号化したもの。例えば、NHK CBS SOSなど。大文字を使い字間を1/4emほど空けて組む。写研の場合、Rタイプの文字を使用。
ダーシュ:
語や句を結び、あるいは文の中絶や転換を示す記号でつなぎ符ともいう。ダッシュともいう。用途によって三種のパターンがあり、二倍(――)は文字・語句の省略。全角(-)は文章の構造を変えたり、重要な部分の強調などに。二分(-)は年月・時間・番号・固有名詞の連結に使う。二分のダーシュはハイフンと混同する場合があり注意が必要。
ダイアルアップIP(Dialup IP):
一般の電話回線を使ってインターネットにIP接続すること。通常はプロバイダーと契約し、そこからIPアドレスを借りる形で接続する。プロバイダーへの接続はPPPなどのプロトコルを使用し、接続を受付けたプロバイダーは空いているIPアドレスを一時的に割り当てるためにIPアドレスは固定していない。
ダイレクトスキャナ:
出力時に直接網ポジ・網ネガが得られるスキャナのこと。連続階調スキャナに比べてカメラでの網撮影が不要で、レンズによるロスがなく解像力に秀れた鮮鋭な印刷物が期待できる。ドットシェネレーター方式とコンタクトスクリーン掛け方式に分けられるが、前者の方が画質や加工性で勝っているので、主に使われている。
ダウンロード(Download):
あるコンピュータや装置から別のコンピュータや装置に、データやプログラム、あるいはフォンとデータを転送すること。パソコン通信などでは、ホストコンピュータに蓄積されたデータファイルを端末側に転送させ保存することを「ダウンロード」という。フォントをディスクからプリンタに転送して記憶させることを指す。
ダブルクォート:
欧文表記法のひとつであるシカゴルールによる記述記号のくくり符(“ ”)。
ダブルクリック(Double click):
何らかのオブジェクトに対してマウスのボタンを続けて2回クリックすること。1回のクリックはオブジェクト選択を意味するが、アプリケーションの起動や、単語全体を選択など、ダブルクリックでは選択したオブジェクトに対し特定の処理を実行することができる。
ダブルダガー:
参照記号の一つ(‡)。
ダブルトーン:
同一原稿から調子の異なる2種類の版を作り、それぞれ異なった、あるいは同じ色のインクで印刷する方法。ディオトーンともいう。元々はモノクロ写真を墨1色で再現した時の弱点(コクがなく、軽くフラットな感じなど)を補うための方法。カラー原稿からでも可能。尚、2色印刷とは別の物である。
段:
1ページの組版面を二つ以上に区分して組む場合の一区切り。二段組・三段組など。
段間:
段組の段と段の間。本文の文字サイズの1.5倍以上のアキが一般的。電算植字では、本文使用サイズの倍数で指示する。段間の中心を罫で仕切ることもある。
段組:
ページを二段以上に分けて組むこと。表組・写真などの大きさはこの段の単位で設定される場合が多い。
段抜き:
段組されたページで、大見出しの場合、複数の段にわたって組まれるが、この場合を段抜き、または段抜き見出しという。
段落:
文章の大きな切れ目。一般に段落の次の文章は改行され、一字下げにすることが多い。
【ち】
字合わせ(罫下合わせ):
多面付けで頁の「地側」と「地側」を付け合わせて組み付けること。右開き(縦組み)の本に用いられるのが通常である。反対に「頭あわせ」、「天あわせ」がある。
地袋(ちぶくろ):
縦組の本の折りで、地が袋状になっているもの。
チャット(Chat):
パソコン通信利用者が同時にアクセスしている者同士が、パソコン上で会話する機能。
注:
本文中の語句について、本文とは別につけた注釈(解説)。
中央揃え:
写植印字で指定された範囲、または行の中央に文字列をおくこと。センター揃え。センターリング。
中括弧:
ブレースを参照({ })。
中間域・中間調:
ハイライト 、シャドウ部の中間の調子で、スキャナーでトーンコントロールを行う時にはこの部分(C版で50%網点の入る原稿濃度部分)の位置で仕上りが相当変わってくる。またこの部分でトーンジャンプが起こり易いので、網点形状を変えるなどの対処をする場合もある。
丁:
本の中身を構成している紙葉を数える単位で、表裏二ページ一枚を一丁とかぞえる。
丁合い:
折丁を頁順にそろえ、1冊分ずつまとめる作業で、手作業で行なう場合(手丁合い)と機械を用いて行なう場合がある。この作業を自動的に行なうのが丁合い機(機械丁合い)である。
長音符:
長音を表すための符号。縦組用(・)と横組用(―)がある。音引き。もともと行頭禁則の符号だったが、現在は行頭にも使われるようになってきている。
【つ】
付け合わせ:
頁物を面付けして印刷する時に、16頁に満たない折をなるべく16頁に近い形になるよう数種類の折りを同時に印刷すること。主に少部数の印刷物で用いられ、印刷代(通し代)を安くできるメリットがある。
つなぎ符:
記述記号の一つで、語と語、シラブルとシラブルをつないで関係づける記号。二分ダッシュ(-)・ハイフン(-)・二重ハイフン(=)・波ダッシュ(~)などがある。
詰め印字:
詰め打ち、詰め組ともいう。写植で正規の字送りよりも詰めて印字する方法。例えば13級の文字で字送りは12歯など。均等詰め・字面詰め・em詰め・食い込み詰めなどがある。カーニングを参照。
【て】
TLD:
ドメイン名をドットで分割した際の最後の項目
TIFF(Tagged Image File Format):
白黒階調およびカラーの画像データを保存するためのフォーマット。Paint系のデータと同様に、ドットで表現した絵を保存する。イメージを扱うソフトでは標準的なフォーマット。
ティルド(Tilde):
アクセント記号の一つ
体裁制御:
電算植字で組版体裁を指示するコマンド。特にPC-98シリーズを使っての電算は、コマンドの指示記号を覚えなければならない。指示がなければ、デフォルト値で組版される。
TeX:
スタンフォード大学のクヌース博士が自身の数学論文をまとめるために開発した組版システム。TeXにより作成されたテキスト文書はDVIと呼ばれるファイル形式に変換する。このDVIファイルには文字の位置やサイズなどの情報を含んでおり、ディスクトップ・プリンターから電算写植機まで同じイメージのものが出力可能である。日本語版は⑭アスキーが開発した縦組み対応のpTeXやNTTのJteXなどがあるが、実際にはTeXはフリーソフトであり、類似品が数多く存在する。最近ではTeXはポストスクリプトに書出され、ポストスクリプト系プリンターやイメージセッターで出力されることが多くなった。
テクスチェア (Texturu):
本来は素材などの肌触りのことだが、視覚的な質感・感触・表面効果をさす。触感覚の問題は電子テクノロジーの非物質的環境の拡大にともない、グラフィックの世界においては、視覚的な肌ざわりを意味する。
天体記号:
天体に関する記号。
天地:
印刷・出版物の縦の寸法。または版面・図版などの縦の寸法。天地10ミリなどと表現する。
天糊(てんのり):
伝票・便箋・原稿用紙などの製本様式。天を糊で固め、必要に応じて一枚づつはがせるようになっている。
天袋:
横組の書籍で折りの天が袋状になっている部分。
テンプレート(Template file):
一部を変更するだけで、繰り返し使用することのできるデータ。良く使う定型フォーマットをテンプレートとして保存しておく。「ひな形」と呼ばれる書類は開いたときに元のデータをコピーして新しい書類を作成してくれるので、テンプレートに最適。
データ制御:
電算植字でデータの最初に行なう一定のまとまった処理の指示命令。記憶・読み出し・データ変換・キー変換などがある。
DTP(Desktop Publishing):
パソコンを使って出版物を作成すること。卓上出版と訳されることもある。文字や図版の入力から始まって、ページ全体のレイアウトから印刷の前段階(Prepress)まで含まれることもある。そのため、Desktop Prepressの略で使われることもある。
dpi:
画面表示やプリントアウト時に、点の細かさを表わす数値の単位。dot per inchの略。1インチの長さに点がいくつか入るかを示す。数値が大きいほど一つの点が小さいので、より細かく絵や文字を表わすことができ、解像度も高くなる。
ディザ(Dither):
ある決められた階調でより豊富な階調を表現する技法。たとえば、白と黒しか使えない状態でさまざまな濃さの灰色を表現する方法。階調を表示する方法として他に、濃度パターン法/誤差拡散法がある。
ディレクトリ(Directory):
ディスクでファイル管理の情報を記述した部分。ファイルサイズや変更日付などの細かな情報が書き込まれる。また、階層構造のファイル管理方式では、一つの階層をディレクトリと呼ぶ。
デザイン・コンセプト:
デザイン行為の初期の段階で、対象のテーマとその概念の構成、すなわちその構想(計画と展開を含む)をしっかり立てること、またはその構想を指す。従ってその行為を概念設計ともいう。
デザインニング(Desining):
クライアントからのコンセプトを受けて、それをどう具体化していくかという過程をいう。
デバイス(Device):
パソコンに接続する周辺装置全般。それらの装置をパソコンから制御するときに使うソフトウェアを、デバイスドライバと呼ぶ。
電子メール(E-MAIL):
インターネットなどの通信を利用して取り交わすMAIL(手紙)。ユーザー名とドメイン名を指定して送信する。
電算写植:
コンピュータを使った組版システム。テキストデータ入力装置・組版編集処理・出力機装置などで構成されている。電算植字、CTS。
【と】
トータルスキャナ:
スキャナとデジタル画像処理装置を組み合わせたシステムで、スキャナ、画像記録装置、画像表示・処理のカラーモニタなどが接続されている。このシステムでは、色変更、合成ぼかし、グラデーション作成、切り抜きや、画素移植など従来では困難とされていた処置などが可能となった。また集版処理機能を持っているので、レイアウトスキャナとも呼ばれている。
トーンカーブ:
グラデーションカーブ、相関カーブともいう。原稿濃度と複製物(網ネガ・網ポジ・印刷物)の濃度の関係を表す曲線。ポジとネガではカーブの傾きが逆になる。
通し:
印刷機に用紙を通して印刷される量を表す単位。1色印刷分を1通し(1)という。4色機は4t×印刷枚数(用紙寸法にかかわらず)=○○通し(t)と計算する。
特殊紙:
普通の「白い」紙に対して色のついた紙、手ざわりの違う紙などを総称してファンシーペーパーとか特殊紙という。色のついたものでは色上質が多く、模様のついたものでは、しわ紙、エンボス模様、それに光沢のあるなしなどのバリエーションがある。
特色(インキ):印刷基本4色Y・M・K(プロセスカラー)以外に、原稿内容をより忠実に再現するために特別に調合された色(インキ)のこと。金銀・パールや、蛍光のピンク、オレンジなどがよく使われ色見本帳(カラーチップ)の番号によって指定を行う。
時計数字:
時計の文字盤を読みやすくするためにローマ数字を合字して造られた変則的数字。・~・・などの合字は本来、横組用に使い、横組では欧文の・・・・・などを並べて使うのが正しいとされている。
塗工紙:
白土など鉱物性顔料と接着剤を混合した塗料、あるいは合成樹脂などを原紙の片面、または両面にコーティングした紙の総称である。コート紙・アート紙など。コーテッドペーパー。
綴じ(とじ):
ページものの本文を繋ぎ合わせて固定する方法。針金とじ(平とじ・中とじ)、無線とじ、あじろとじ、糸かがり、和綴じなどがある。便せん・メモ帳・伝票など天とじ(天のり)といって、点の背を接着剤だけで処理したものなどがある。
綴じ代:
書籍・雑誌の製本の際に、針金平綴じ・穴あけなどのために必要なノドの余白。従ってノドのマージンはやや広めに必要である。
凸版印刷:
最も古くからある印刷様式の一つ。文字や画線部が突き出ており、その部分にインキをつけ、圧力をかけて印刷する。凸印刷がその代表。
扉:
本の部分呼称、前付けの一種。見返しの次に位置し、書名、著者名、出版名などを印刷されるページ
止め:
原稿整理上、文字原稿にナンバーリングで通し番号を入れるが、その最終番号を示す「止め」「了」または「〆」と記する。
共紙(ともがみ):
書籍・雑誌の扉・中扉・口絵などを本文と同じ用紙で印刷すること。
トラッキング(Tracking):
DTPソフトでの文字詰め方法。カーニングの一種だが、書式や段階により数値設定で一律に詰めることができる。また、マウスの移動する量をマウストラッキングという。
取り都合:
印刷の際に、一定寸法の紙から、仕上がりの紙が最も効率よく取れるように計算すること。規格判の仕上がりの場合は規格判の用紙から無駄なく取れるが、表紙・ジャケットなど規格外の場合は、紙の目なども考慮するために無駄が出てくる。
トリミング:
一般的には、写真原稿の画面の任意部分だけを抜き出し、周囲を切り捨てること。指定では原稿にトレーシングペーパーをかけ、周囲のトリミングを決め絵柄のアタリ線も描き込む。
トル:
校正記号の指示の一つ。不要な文字・記号などを削除し、その後を詰めるという指示。
トルアキ:
不要の文字・記号などを削除し、削除した部分をそのまま空けておく、という校正の指示。
トルツメ:
校正指示記号のトルと同じ意味。
トルママ:
校正指示の一つで、トルアキと同じ意味。
トンボ:
版下・製版・印刷の工程で重要なマークであり、レジスターマークともいう。印刷の刷合わせを正確にするために、版下・フィルム・版面に付ける見当合わせの目印。一般に十字マークを細線で付ける。その形がトンボと似ていることから俗称である。さらに製本工程に必要な目印として、折りの基準を示す「折りトンボ・オリトン」、断裁の位置基準の「裁ちトンボ・角トンボ」などがある。
DOS(Disk Operating System):
基本ソフト。パソコンのCPUに命令を伝えるのに人間が理解できる言葉でコンピュータを効率的に動かすためのソフトウェア。現在IBM PC/ATとその互換機及びNEC製のPC98シリーズなどはMicrosoft社のMS-DOSとWindows、MacintoshのMac OS、AT&T社のレベル研究所のUNIXがある。
DOS/V:
1990年に日本IBMが開発したDOS。日本製パソコンは日本語を表現するために専用ROMを内蔵してるが、DOS/Vでは日本語文字フォントをソフトウェア側から拡張メモリーに展開することで日本語の表現を可能とした。VGAと拡張メモリーがあれば世界中のIBM PC/ATとその互換機が使用できる。DOS/Vの呼称は国内だけの通称である。
ドット(Dot):
従来製版では網点と同じ意味で、スクエア・ラウンド・チェーンなど様々な形状があり、階調を表現する為の小さな点のことだが、DTPの世界では網点を形づくる個々のピクセルの意味として使われる。この場合、従来製版でいうドットはハーフトーンセル(ピクセルの集合体)のことになる。
ドットゲイン:
印刷時に網点がつぶれて太くなる現象。要因としては紙、インキ、網の線数の他、印刷時の機械や環境の状態などが挙げられる。一般的に本機は校正機に比べて点太り量が多くなる。
ドメイン(Domein):
インターネットに接続されているコンピュータに付ける名前。E-MAILを送信する際にユーザーIDとドメイン名を@マークで区切って送信先を指定する。例えばvms@vanfu.co.jpはvmsはユーザーIDであり、vanfu.co.jpがドメイン名でありその要素は( )で区切りそれぞれサーバーの名前、組織要素、国籍となっている。
ドライバ(Driver):
プログラムのひとつの形態で、ハードウェアを接続するときに間を取りもつソフトウェア。
ドライブ(Drive):
ディスク駆動装置。ハードディスクやMOディスクなどのハードウェアを指す。
ドライヤー(Drier):
印刷インキの乾燥促進剤の総称。コバルト・マンガンなどの金属石けんが使われる。触媒作用によって乾燥するが、温湿度・紙や湿し水のpHなどによって影響される。
ドラッグ(Drag):
マウスのボタンを押してから離すまでの間、マウス本体を移動させる操作。領域を選択したり、複数の項目を選択したりする目的で使う。
【な】
中黒:
くぎり符の一つでボディの中心に置いた小さな黒丸(・)。名詞や代名詞を並列する場合その語間に、また、外国の固有名詞(人名など)で2語以上から出来ている場合にその間に使う。黒ポツ。中ボツ。
中付きルビ:
漢字に対する振り仮名の付け方で、縦組の場合は対象文字(親字)の天地中央に付ける方式。
中とじ:
表紙と本文とをいっしょに丁合いして、二つ折りになった背の部分を、表紙の側から真ん中の見開きページにかけて、針金または糸で綴じる仮製本の一様式。週刊誌・パンフレットに多い。サドルステッチ。
中扉:
前付けから本文に続くが、ここで中扉として、もう一度書名だけを記したページをいれることもある。
中見出し:
タイトルと本文との中間的な扱い方をされる。多用すると視覚的に混乱するので、省略する場合もある。
生原稿:
未整理で組指定がされていない著者が書いたままの原稿。
波ダッシュ:
ディファレンス(~)
並び線:
欧文書体のQを除いたすべての大文字・小文字のデセンダを除く字面の下辺に水平に引いた仮想の基準線。ベースラインとも言いハイトの下端にあたる。
【に】
2色製版(印刷):
ツインカラー、ドコアトーン等とも呼ばれ、カラー原稿を2色に色分解し、少しでもカラーに近い雰囲気を出せるインキで印刷する方法。特色のグリーンとレッドの組み合せなどが代表的。印刷コストが安く済むので、軽印刷・チラシ等でよく使われる。ダブルトーンとは別の物。
二重ハイフン:
つなぎ符の記号。外国人名の名・姓のつなぎに使われる。イコールの記号とは異なるので注意。
二字ルビ:
親字、一字に対して、二字のルビになる。ルビの大きさは通常、使用サイズの二分の一と言う形に設計されており、全角に入るルビは二文字となることを言う。ルビが二文字以上になる場合、前後にルビが一文字はみだしてもよいことになっている。さらに一字以上ルビがかかる場合は本文の字間をあける。行頭や行末にはみ出してはいけない。句読点や受けのカッコにルビ一字かかってもよいが、起こしにはかけない。などの約束事がある。
ニス引き:
印刷物に艶を与え、汚れを防ぎ耐久性を高めるために、表面に透明に樹脂を塗ることである。
二点破線:
長い線一つと短い線二つを規則的に続けた破線。(-‥-‥-)。
二分あき:
行と行のアキ、文字と文字とのアキが使用サイズの半分であることを言う。
二分四分(ニブシブ):
全角の1/2+1/4を言う。従って全角の七割五分である。
日本図書コード:
ISBNと書籍コード(分類コード)・定価・消費税をセットにして表示する。コンピュータ読み取りのため統一されており、OCR Bフォント、20級で印刷している。
【ぬ】
抜き型:
単にヌキとも言う。各種紙器など直線断裁でできない形状のものを作る場合、打ち抜き型を作り、トムソンなどの機械を使って加工する。型の基盤にベニヤの合板を使い、仕上がりの形状には切り刃を、折り曲げ部分にはスジ押し刃をベニヤの溝に組み込んで作る。溝は精度を上げるためにレーザーカットが使われる。抜き打ち用の刃型。
布クロス:
本クロスとも言い、製本用クロスの一つ。ベースに布を使い、表面にでんぷん・塩化ビニール・ナイロンなどに顔料を混ぜて塗布し、カレンダー(光沢を付けること)をかけたり、型押しなどをして仕上げたもの。
【ね】
熱転写プリンタ(Thermal transfer printer):
熱溶融層を持つインキリボンや固定インキなどの熱転写媒体を使って、サーマルヘッド(発熱抵抗体)の加熱によって層が溶融し紙に転写する方式のプリンタでノンインパクト・プリンタの一種。ワープロプリンタだったのが、カラーDTPの出力装置として使われている。
【の】
のど:
本を広げたとき、中央とじ目と版面との間の余白部分(マージン)を言う。または、本のとじ目の側を指す。
のどアキ:
本の一ページの左右の余白のうちで、とじ目側の余白部分。組体裁を決める際に重要な個所である。製本様式・ページ数・用紙の厚薄などによって本の開き具合を想定し、さらに可読性を考慮して決定していく。
【は】
歯(は):
写植における移動量の単位。字送り・行送りに使われる。1歯=0.25・=1級である。移動の単位としての歯だが、手動写植機に付いている歯車のピッチが一個動くと0.25・移動して印字されるところから生まれた用語である。略してHとも記す。
ハイパーテキスト(Hyper Text):
画面に表示された文章や絵を索引として、複数のテキスト同士を関連付けたりリンクして呼出したりして、ひとまとまりのものとして表現するデータベース。
ハイライト(Highlight):
階調原稿(写真・絵画)などのもっとも明るく、濃度の低い部分。印刷物では最小網点の部分、紙の白さで表現する。
ハイライト版:
写真やイラスト・マンガ原稿で、ハイライト部分をとばしてコントラストを強めにコントロールした版にすること。イラストなどが描かれた用紙の調子などをなくし、描かれたイラストのみが製版できるようにすること。スキャナでハイライトドロップアウトを効かせて、任意の網点%以下の濃度をとばして作成する方法などがある。
歯送り:
写植の基準点の移動量。手動の写真植字機は組み込まれている基本歯車の1歯(0.25mm)を基準として送り量を設定したことからの語源である。この歯送りをゲージにして作られたフィルムのシートを歯送り表と言う。
箔押し:
本製本の表紙・背などの上に箔を乗せ、金版(かなばん)で加熱・加圧して、文字や模様を型押しすること。箔などを乗せずに型だけ押すことを「空押し」と言う。
端書(はしがき):
序言・序文・緒言・前書きと同義。
柱:
書籍・雑誌の各ページに記載された書名・章名・節名などの見出し。偶数奇数両ページに入れる両柱(りょうばしら)、奇数ページのみにいれる片柱(かたはしら)とがある。
破線:
短い線が連続している線(—)。ミシン罫。
ハッチング(Hatching):
版下などで付ける影。商品の写真などに普通は45度の角度で右上より左下に引いた細い平行線を言う。
撥音:
ん、ン、で表されるようなはねる音。この語を行頭禁則文字とする場合がある。
ハブ(Hub):
複数のコンピュータをネットワークに接続するための中継器。一般的には10BASE-Tケーブルを用いてコンピュータとハブを接続するモジューラージャックの接続口が複数あり、ハブからサーバーに接続するケーブル10BASE-5や10BASE-2用のポートを持っている。
はみ出し:
文字組版で文末が予定のページに収まらず、はみ出すこと。または、はみ出した部分。雑誌などの場合は、はみ出した部分を段落調整・字間調整などをして追い込むなどの工夫がされる。
針金とじ:
仮り製本のとじの様式のひとつ。針金を使って本の中身をとじる方式。「平とじ」と「中とじ」とがあり、本の厚みによって針金の太さを変える。平とじ・中とじを参照。
版:
印刷の際、インキを紙に移すための元となるもの。画線部・非画線部で構成され、画線部のみにインキが着くようになっている。また、同一のフィルムなどを用いて印刷された書籍で第1版第3刷などと言い、1版で何回かの刷で構成される。さらに、同一著作物が組方・版型・装丁などを変えて発行される場合は第○版と使う。
半角:
写植用語で全角の幅(セット)を半分にしたもの。全角の二分と同義。記号として△や×が使われる。
半角送り:
写植の字送りで、使用級数の二分(半分)で送ること。
半角文字:
日本語ワープロの出力で文字の横、または縦の長さが基準(正方形)の半分の文字。縦長・横長の文字になる。連数字の場合、基本的に縦半分のサイズがならぶ(半角数字)。
版型(はんけい・はんがた):
一般には書籍・雑誌・印刷物の大きさを言う。一般にはJISP0138紙加工仕上げ寸法で規定されているが、規格外の寸法もある。
半裁:
全紙(B1・A1)を半分に切ったもの。B半裁とはB全判の二分の一(B2判)である。
版式:
印刷版の構造によって分けた版の様式。凸版・平板(オフセット)・凹版・孔版がある。
版下:
製版のための原稿。レイアウトに従って作られた台紙に文字・紙焼きなどがセットされ、写真などの入る部分のアタリ罫・センタートンボ・角トンボなどの入ったアート紙などによる台紙。撮影前の写真製版用の原稿。かつては手作業の多い仕事だったが、コンピュータ処理の進化に伴い、版下での作業は激減している。
反射原稿:
もっぱら反射光で観察する原稿のことを言い、プリントした写真やイラスト、印刷物が代表的。透過原稿に比べて原稿の濃度幅が相当狭く、解像性も劣っている上、サイズや拡大・縮小率が異なっているのが普通である。また、原稿の表面性状(グロッシー、マット、シルク等)によっても影響が出てくるので気をつけなければならない。モノクロ製版では反射原稿が主に使われる。
版面(はんめん・はんづら):
製版では製版面を指す。天地左右の製版線内を言い、版面線(製版線)・版面寸法(製版寸法)といった使い方をする。組版では、マージンを除いた印刷面を指している。
凡例:
本文の前に提示する、用字・用語・記号・略語などの具体例を整理して解説したもの。
バーコード(Barcode):
棒上の符号のことで、これで数字や符号を表わす方式のことを言う。バーとは「棒」と言う意味で、バーの組み合せにより数字や符号を表わし、コード番号となり、このバーコードをバーコードリーダーで読み取りコンピュータへ入力する。
バイト(Byte):
コンピュータがデータを処理するための基本単位。ビット(2進数の1桁)が8個並んだもの。また記憶装置の容量、メモリーの大きさや文字コードに割り当てたりする。
倍取り:
見出しなどの字割りをする際、あらかじめ行長を使用文字サイズの何倍取りと決めて字間を割りふること。倍数取り。
バイナリー(Binary):
任意の2進数で表現されたデータをバイナリーと呼ぶ。これをファイルに収めたものをバイナリーファイルと言う。
バクダン:
山型の突起が円周状につながった図形のこと。爆発を連想させることからこう呼ばれる。
バス(Bus):
コンピュータ内部で、例えばCPU内部、CPUとメモリの間、拡張ボードとコンピュータ本体の間などで信号をやり取りするための共通路のこと。
バックアップ(Backup):
プログラムやデータなどのファイル、別のメディアにコピーして保存すること。元のファイルを入れたディスクが壊れても、コピーしたファイルが残る。
バックボーン(Backbone):
Internet上でネットワークを結んでいる高速・大容量の回線。
バッチ処理:
一括処理を参照。
バラ打ち:
バラ印字とも言う。写植で、図版などの文字貼り込みのために、文字のみを印字すること。または、電算写植の出力機に搭載されていない書体、同一テーブルで出力できない書体を印字すること。組印字に対して言う。
バリアブルスペース(Variable space):
写植でこのコマンドを入れることによって、自動的に行長に合せて平均したアキを確保する。欧文スペースはこのひとつである。同義語としては、インサートスペース・フリースペース・フィルスペース・任意空白がある。
パールインキ:
明度の高いインキに特殊な材料を粉末にして混入したもので、真珠のような光沢が出る。印刷適性が悪く、不透明度が高いのでノセや重ね刷りには向かない。
パーレン(Paranthese):
小括弧・丸カッコとも言う。和文用・欧文用がある。和文用は字幅が二分で太さが平均している。欧文用はそれぞれの書体に付随しており、幅は三分前後である。
パイカ(Pica):
欧文活字のサイズを表わす旧呼称。現在の12アメリカポイントに相当する。欧文の本文用として最も多用されていたサイズである。号数活字の五号はこのパイカを基準にして造られた。
パス(Path):
階層構造のファイルシステムでは、別のフォルダに入れれば同じ名前のファイルを複数もてる。ファイル名だけでは特定のファイルを指示できないため、階層構造の位置を使ってファイルを特定する。これがパスで、ディスクのボリューム名から始まって、フォルダが続き、最後にファイル名がくる。名前の間には「:」記号を付ける。
パラルビ:
特定の漢字のみに付けた振り仮名。
パラレル方式:
コンピュータ同士、またはコンピュータと周辺機器の間でデータ転送を行なう場合に、複数の線を使ってデータをまとめて転送する方法。
Power PC:
IBM、Motorola、Appleの3社が共同開発した32bitのRISC型CPU。MacintoshのSystem7以降、IBMのOS/2、MicrosoftのWindows NT、Sun MicrosystemsのSolarisなどのOSに対応している。
パンフレット:
会社紹介、商品説明書、各種マニュアルなどに利用される小冊子のこと。
【ひ】
光磁気ディスク(MO):
データの書込みはレーザーでディスクを加熱し、そこへ磁場をかけ磁性体の向きを変化させることで行ない、読み込みは弱いレーザーで磁性体の偏光を検出することで行なう。128メガバイト、256メガバイトや640メガバイトなど容量の違うタイプがあるが、書込み速度が遅いので頻繁に読み書きを繰り返す用途には不向きである。
表1(ひょう1):
表(おもて)表紙のこと。
表音符:
漢字・仮名などの送り記号。音引き(ー)。長音符とも言う。
表組:
統計表など縦横に罫線を駆使し、数字・文字を組み入れた組版。集計表やデータ表などの組ものの総称。表組を入れる場所の指定のない場合は、写真などと同様に小口側にいれるのが慣例である。
表紙:
本のいちばん外側に付けられ、中身を保護し、装飾するもの。本製本では、別に表紙貼り、箔押しなどをした後、表紙を見返しに貼りつけてくるむ。仮製本では、印刷した紙で糊付け(中とじは、共に針金でとじる)してくるむ。
表2(ひょう2):
雑誌のおもて表紙の裏側。本文と接する部分の表紙。
表4(ひょう4):
裏表紙を参照。
平仮名送り:
平仮名用の同字送り記号(ゝゞ)。行頭禁則扱いである。
平とじ:
仮製本のとじ方のひとつ。丁合いした後、ノドに近い部分を表から裏にかけて、針金で綴じる方法。丈夫だが本の開き具合は良くない。
B判:
B列本判。仕上がり寸法ではなく、製紙工場から出荷される紙の寸法、JIS P 0202で決められている標準原紙寸法。765×1085mm。
BBS(Bulletin Board System):
パソコン通信で不特定多数のユーザーとのメッセージ交換ができる電子掲示板サービス。このサービス機能を持ったパソコン通信のホスト局もBBSと呼ばれる。
ビット(Bit):
コンピュータが取り扱う2進数の1桁で表される最小単位。この単位が8桁並んだものを1バイトと言う。
ビットマップ(Bitmap font):
文字を表わすフォントのうち、ドットの組み合せで表現したもの。サイズが小さければ比較的きれいな文字に表現されるが、決まったドットパターンで構成されているため、通常、それぞれのサイズに応じて、複数のセットがある。
微塗工紙:
中質紙に1平方メートル当たり両面で12g以下の塗料を施した塗工紙の総称。
ビニル貼り:
印刷物の表面に光沢を与え、保護を目的として、接着剤と加熱・加圧により透明な薄い塩化ビニルを貼ること。仕上がりはよいが手間がかかる。
ビニル引き:
印刷物の表面に光沢・耐水性を与えるために、塩化ビニル・酢化ビニルの溶液を塗ること。
ビニル表紙:
色付けの塩化ビニルのシートを利用した表紙。薄表紙の書籍・辞典・手帳などに使われる。文字は箔押し・印刷で入れる。
PS版(Pre-Sensitized):
プレ・センシタイズの略で、平版オフセット印刷で使われる印刷版(刷版)で主として用いられているもの。薄いアルミの板にあらかじめ感光液が塗布してあり、ポジ・ネガの両タイプがある。耐刷力も大きく、比較的安価なため使い捨てができるなどのメリットがある。普通、校正刷りと本刷りでは別々の刷版が作られる。
PCM(Pulse Code Modulation):
アナログ信号をデジタル変換して録音し、再生時にはアナログ変換を行なって再生する方式。1秒間に行なうアナログ/デジタル変換の回数を、サンプリング周波数と呼ぶ。
PC互換機:
IBM製コンピュータとの間に互換性がある機械の総称。Compaq、Gatewayなどが有名だが世界中のメーカーで生産されている。
PD(Phase change Disc):
松下電器が開発した書き換えができる光ディスク。相変化記録方式(Phase change)が採用され1枚のディスク容量は650MB。
PPD(PostScript Printer Description File):
PostScriptプリンタの解像度などを記述したファイル。
PP貼り:
印刷物の保護と印刷をより美しくみせる手段として、PP(ポリプロピレン)フィルム(0.01~0.02mm)を貼ったもの。
PRAM(Parameter RAM):
電源を切っても消えない記憶領域。本体の電池でバックアップする。日付時間、ビープ音の大きさ、起動するハードディスクのID番号などが入っている。この値が壊れるとMacintosh全体の動きがおかしくなる。
ピア・トゥー・ピア(Peer to Peer):
2台のコンピュータを直接Ethernetで接続し、お互いのデーターやプリンターを共有する方法。安価な設備でネットワークができる反面、各々のマシンがアプリケーションとネットワークの機能を同時に行なう必要があるために専用のクライアント/サーバー方式と比較すると速度がかなり遅い。
ピクセル(Pixel):
「画素」のことで、ドット単位で表示される表示装置における画像形成の最小単位。
PICT:
Macintosh標準のグラフィックデータのフォーマット。Draw形式のため、文字や図形を拡大縮小してもギザギザにならない。ビットマップデータもデータのひとつとして持つことができる。24bitカラーや256階調の白黒にも対応。
【ふ】
ファイル(File):
ノートのファイルと言うときのファイルと同じ意味。ある特定の目的のために組織的に進められ、記録された情報をファイルと言う。この単位でディスクのデータを管理する。Finderではアイコンでファイルを表現している。
ファイル共有:
Apple Talkネットワークシステムのアクセス権などを設定できる。コントロールパネルの共有設定でファイル共有をオンにしておく。
ファイル・サーバー(File Server):
LANで接続された複数のユーザーがディスクやデータを共有するための機能を持つコンピュータ。
ファイル転送プロトコル(File Transfer Protocol):
ファイルを転送するための約束事。XMODEM、YMODEM、ZMODEMなど様々な方法があり、それぞれ転送ブロックのバイト数やエラーチェックの方法を定めている。
ファインダ(Finder):
Macintoshを起動したときに必ず表示されるソフトウェアで、ファイルをアイコンと名前で表示する。右上にはディスクのアイコン、右下にはゴミ箱のアイコンがある。
FAT(File Allocation Table):
ディスクの先頭の部分にデータの物理的な配置を記録しているテーブル。MS-DOSのファイル管理に使われる。
ファミリー(Family):
欧文文字のひとつの書体をベースにして、文字の線の太さ、字幅を変えて作った一群の書体。
ファンクション・コード(Function code):
機能コード。コンピュータで処理する文字データのコードの他にある特定の働き、機能を実行させるためのコード。電算写植システムでは、書体・文字サイズ・行長・字間・行間・段間などの組版フォーマットに関するパラメーター・コードを文字データと共に入力する。その他に字下げ処理・空白処理・ルビ・版面寸法など多くのファンクション・コードがある。
フォーマッタ(Formatter):
ハードディスクのフォーマットを行なうソフトウェア。種類としてSilverliningやHDTなどがある。
フォーマット(Format):
ハードディスクなどのメディアにデータを書き込めるように、物理的に状態を設定すること。新しいハードディスクを使うときには最初に行なう。
フォント(Fonts):
活字では、同一同書体の活字の一揃えを指す。1フォントの内容は、大文字・小文字・スモールキャップ・合字・句読点などの記述記号・数字・アクセントなどで構成される。写植では同一書体の一組を指す。コンピュータ用語としては、同書体の文字群をデザインしたデータ・あるいはその書体を言い、ドットフォント・アウトラインフォントなどがある。
吹き出し:
漫画・イラストなどで、人・動物などの会話を表わすために口から線を引いて、中に文字を入れる。漫画の吹き出しの書体にはアンチックが通常使われる。
袋とじ:
和漢書の綴じ方。片面のみに印刷し、裏は白のままで印刷面を表にして二つ折にし、折りめの反対側をとじたもの。従って折られた方が小口となる。また雑誌などでは、仕上がり寸法よりやや小さい寸法の折丁をはさみ込み、その折丁は天地のみ断裁され、小口の部分が袋状になっているもの。
袋文字:
輪郭線だけで表現した文字。写植の写体としてもあるが、製版処理により作ることも可能。ただし、この場合シャープな形状はあまり望めず、可読性を増すためのフチ文字として使われる。ククリ文字、アウトライン文字、輪郭文字とも言う。
伏せ字:
原稿中に公開をはばかる字句がある場合、○○□□などの記号を代わりにして表記したもの。ゲタ文字と同義で使われる場合があるが、本来の意味はまったく異なる。
付箋:
原稿・責了紙・訂正原本などに必要とするページに目立つように貼る、小さな紙片。端に着脱可能な接着剤が付いている。ポストイットは商品名。
フラッシュメモリ(Flash Memory):
電気的に書き換えが可能なROMの一種。安くバックアップ電源が不要で2万回の書き換えに耐えられる。
フリーウェア(Freeware):
無料で使えるソフトウェア。開発者が個人的に作り、それを一般のユーザーにも使ってもらおうと配布する場合が多い。パソコン通信やCD-ROMなどから入手する。
フリーズ(Freeze):
システムに異常が発生し、モニタが動かなくなる(固まる)こと。
振り分け:
電算写植で、割り注に似た処理。本文一行中に複数行の折り返しを作るコマンド。
フロッピーディスク(Floppy disk):
コンピュータの外部記憶装置のひとつ。プラスチック製円盤に酸化鉄などの磁気体を塗ったもの。ディスケットとも呼ばれ、FDは略称。8in・5.25in・3.5inなどサイズがある。
FEP:
Front End Processorの略。かな漢字変換ソフト(日本語入力フロントエンドプロセッサ)を指すことが多い。かな漢字変換ソフトとは、キーボードからかな文字や英字を入力し、それを漢字やひらがなに変換するソフトウェア。漢字変換にはかな漢字辞書を使う。変換ソフトごとに独自の辞書をもっている。MacVJE、EGBridgeなどがある。
ブラウザ(Browser):
利用者がファイルなどの情報を見るためのプログラム。インターネットではWWWを見るためのMosaic、Netscape Navigaterなどがある。
ブラケット(Bracket):
くくり符のひとつ([])。和文用の亀甲(〔〕)とは異なるので注意。数式・欧文組に使う。角カッコとも言う。
ぶら下げ:
句読点を標準指定の字詰めから、はみ出させる組方。句読点に限られており、カッコ類・中黒は不可。基本的に縦組で行われる。欧文組では、ぶら下げを行わないことから、和文の横組では不可とする考え方も多い。
ぶら下げ禁止:
句読点をあらかじめ指定された枠からはみ出させない文字組の方法。電算写植のプログラムでは、デフォルト値として採用されている。コマンドによって、ぶら下げ禁止・ぶら下げを選択出来る。
ブレース(Brace):
くくり符記号のひとつ。中カッコ。本文中に使われることはほとんどなく、数式中・図表などで二つ以上の項目をくくるために使われる。({})。
分解:
基本的にはカラーの写真やイラストなど、多色印刷を行うための製版工程の一部。カラー写真原稿ならばC・M・Y・Bkの基本4色の版に色分けする作業を言う。目的に応じて3色分解とか特色を加えた5、6色分解など必要な色数の色版を作る製版の一工程。またはこの作業で作られたフィルム自体のこと。
分割禁止:
電算写植で指定文字列が行末と行頭にまたがらないようにすること(写研システム)。分離禁止も同義(モリサワシステム)。
分離禁止:
写研のシステムでは指定された文字の間にスペースが入らないこと。字割り禁止。モリサワのシステムでは指定文字列が行末と次行の行頭にまたがらないようにすることを言う。
プライム(Prime):
省略記号のひとつ( ‘ )。角度の分、時間の分、などの記号。数式中に欧文の肩に付け、使い分けする記号。
プラグイン(Plug In):
アプリケーション自身が対応出来ない機能を補うソフトウェア。Netscape NavigaterなどのWWWブラウザはテキストの他はGIFなど一部のグラフィックを扱うことしかできない。その他の画像、音声、動画などを見るためにはそれぞれの外部プログラムを利用することになる。
プリプレスシステム(Prepress systrm):
印刷用の版を作るまでの編集・デザイン・文字組版・版下・写真製版・刷版などの工程の総称。エレクトロニクスの進化によって、コンピュータを駆使した多機能処理が可能になり、印刷業界では第四の波とまでいわれ、革命的な変貌を遂げつつある。
プリンター:
アナログ式製版用プリンターの総称。集版時に製版材料を製版フィルムに焼き込む機械。強い青紫光を照射する光源を内蔵し、真空をかけて密着露光させる。目的に応じて露光時間や材料の重ね方を変化させる。
プリンタードライバ(Printer driver):
プリンターに出力するときに、プリンターごとに設定が違うため専用ソフトウェアのプリンタードライバを作り、それを介して印刷する。PostScriptプリンタードライバとQuickDrawプリンタードライバがある。
プリンターポート(Printer port):
Macintoshの背面にあるコネクタのひとつで、プリンタを接続するために使う。
プルダウンメニュー:
メニューの一形式。メニュー全体のタイトルが表示してあり、そこでマウスボタンを押すとメニュー項目が下に開くことを言う。画面の一番上にあるメニューバー。 プレビュー(Preview)
プレビュー(Preview):
パソコンの印刷前にレイアウトイメージを画面上で確認すること。または、その機能。
プレファランス(Preference):
ユーザーの好みに応じて、ソフトウェアの設定を変更する機能。日本語版ソフトウェアでは環境設定と言う。どのような設定を保存するかはソフトウェアごとに違うが、システムフォルダ内の初期設定フォルダに保存するものが多い。
プレプルーフ:
簡易校正システムの意味で、校正刷りを出す以前での内校用や、印刷までの時間が限られている仕事などに使われる。刷り物が得られるハードコピー方式にはオーバーレイ方式とサープリント方式があり、コンセンサスは後者である。この他に、カラーモニター上で確認する電子的色校正(ソフト方式)もある。
プロキシサーバー:
内部ネットワークとインターネットの間にあって、直接 インターネットに接続できない内部ネットワークのコンピュータに代わって、代理で インターネットとの接続を行うコンピュータのこと。
プロセスインキ:
オフセットインキの一種で、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色で構成されており、多色刷りの基準色となっている。半透明性で、この4色の組合せでほとんどの色が再現できる。
プロセスカラー:
色の3原色であるシアン、マゼンタ、イエローの混合では実際には純粋なブラックが再現できないので、CMYにブラック(K)を加えた4色をプロセスカラーと言う。
プロセッサ(Processor):
コンピュータ用語で、ある特定の目的をもった機能単位。さまざまなプログラムを機械語に変換する言語プロセッサ、入力する文字列を文書化するワードプロセッサなどがあり、また特定の目的に合うように設計されたハードウェア、コンピュータのCPUなどを言う。
プロテクト(Protect):
データやソフトウェアを保護すること。違法コピー防止のためのソフトウェア開発元が行なうコピープロテクト、ネットワーク内での不正コピーの使用防止のためのネットワークプロテクト、フロッピーディスクなどに新たな書き込みや削除、変更ができないようにするためのライトプロテクトなどがある。
プロトコル(Protocol):
規格。とくに通信でデータを送るときの手順を定めた規格を指す。
プロバイダー(Provider):
インターネットへ接続サービスを行なう事業者。大学や研究機関など非営利団体と営利事業者の2種類がある。プロバイダーへの接続方法はPPPやTCP/IPがあり、専用線と一般回線を使ったダイヤルアップIPとでは接続方法が異なる。●PPP、TCP/IP、ダイヤルアップIPを参照。
プロパティ(Property):
属性の意味。例えばボタンは、ボタンID、ボタンナンバー、アイコンなどがある。
プロファイル(Profiles):
スキャナやモニタ、プリンタのような入出力デバイスの特性を記述したファイルで、カラーマッチング時に使用する。
プロポーショナル(Proportional):
欧文文字で個々の文字のデザインに応じた固有の字幅を持つ書体。または、その字幅。
【へ】
平体:
写植における変形文字のひとつ。かまぼこ型の特殊レンズを使うことにより、左右の幅を変えず、天地のみを縮小した文字。1番から4番まであり、それぞれ10%・20%・30%・40%の縮小で、平(ひら)1・平2と言うように表わす。新聞書体はもとより扁平に設計されており、平体とはいわない。
平版印刷:
現在、最も活用されている印刷方式。文字や画線部が親油性で、非画線部が親水性で、版の高さがほとんど同じ平面にある印刷方式。版面に水を付けてからインキを付け印刷をする。現在は、版面を一度ゴムブランケットに転写(off)してから紙に印刷(set)する、いわゆるオフセット印刷が代表である。ダイレクト刷版による「簡易オフセット」。水を使わない「ドライオフセット(水なし平版)」がある。平版印刷は、リトグラフ(石版印刷)が始まりであり、1798年にボヘミア人のセネフェルダーによって誕生。亜鉛版が使われ出したのは1817年からである。明治期におけるカラー印刷である錦絵はこの石版印刷によって作られたものが多い。
変形:
通常の文字を「正体」と言い、これを細長くした文字を「長体」、偏平にした文字を「平体」、左右いずれかに傾けた文字を「斜体」という。変形させる度合によってそれぞれ1番~4番があり、計48種のバリエーションを作ることが出来る。
編集:
印刷メディアでは、さまざまな材料を集め、一定の方針にしたがって整理し、書籍・雑誌・新聞などを作ること。企画・原稿の依頼と入手・内容チェック・原稿整理・指定などを含む。校正は含まないのが普通である。
ベタ:
100%の濃度のこと。多色刷りでは、同じベタでも墨のベタと藍、紅、黄のベタでは印刷時のインキの遮蔽力に違いがあり、下地に重なる時には墨の場合基本的にはノセても色は変わらないが、他の色の場合は下地と重なった色になるので抜きにしなければならない。文字組版では、字送りで字間を空けず、使用級数と同じ歯送りで送ることを言う。
ベタ組:
字間または行間を空けない組方。和文での行間ベタは読みにくいが、欧文ではデセンダ・アセンダがあるため判読は可能。ベタとも言う。
別行:
文字組版で、行を改めて別の行にすること。改行とも言い、文章の段落の次は一般に別行とする。
別刷り:
書籍や雑誌の一部に異なった版形式や刷り色で印刷したもの。
ページ:
書籍・雑誌の枚数を片面毎に数える単位。また、その順を示す数字。ノンブル。
ページアップ:
1ページ単位に組上げられたもの。版下で貼り込んでまとめ上げられたもの。トンボ・本文・各種罫線など必要なものはすべて入った版下を作ること。
ページ組:
電算写植で1ページごとに組版をまとめる作業。または出力を言う。棒組・バラ印字に対して言う。
ページネーション(Pagination):
電算写植で、コンピュータ内にまとめられた文字情報を、組版情報の指示に従い、1ページ毎にレイアウトして出力すること。図版・写真などをふくめて完全な形で出力する場合は「フルページネーション」と言い、版下・画像をスキャナで読み込み、モニター上で網伏せ・写真貼り込みなどの作業を行い、ポジあるいはネガで出力する。スキャナート450を使った場合、三色(三版)まで対応可能。
ページレイアウト:
ページごとにレイアウトを指定する方法。図・表・写真・イラストなどが多く入る組版では、ページのどの部分に入れるかが重要になってくる。1ページごと、あるいは見開き単位でレイアウト紙に指定していく。決められた行数で自動的にページを変えていく流し組に対して言う。
ペラ:
ポスターやチラシのような1枚ものの印刷物。または台割り上で端数として生ずる裏表2ページの台を指す。
【ほ】
ホーム・ページ(Home Page):
WWWサーバーがインターネットで提供する情報の最初の画面。または情報の全体を言うこともある。ホーム・ページはHTMLで作成され、さらにWWWブラウザ上で表現される。ホーム・ページを掲載するにはWWWサーバーが必要であるが、個人では通常プロバイダーのサーバーを借りることになる。●ブラウザ、HTMLを参照。
本掛け:
ページ物印刷において、表版と裏版を別々に組付けて印刷する版の掛け方。例として、A全紙でA5判のページ物を印刷する時、左半分に1折の表版を、右半分に2折の表版を組み付けて印刷し、それぞれの裏版を裏側に印刷する。これを半裁することによって、同時に1折・2折の刷本が同時に出来る。
ボールドイタ:
イタリックボールド体の俗称。
ボールド体:
欧文書体のメジウム系より肉太の書体。
棒組:
文字組版で、文字の大きさ、一行あたりの字詰め・行間を決めて、単純に組んでいく方式。棒状に長く組むことから棒組と言う。
傍注(ぼうちゅう):
書籍の本文ページの小口よりの欄外に組まれた注釈。縦組は奇数ページの、横組では左右両ページの小口よりの余白に組入れる。
ポイント(Point):
本来は活字の大きさを示す単位。DTPにおける文字サイズの単位。アメリカ式とティドー式(ヨーロッパ)があり、日本ではアメリカ式を採用。1886年ナイアガラに集まった全米活字業者会議で、マッケラ社のパイカ活字の1/12を1ポイントに決めた。1ポイント=0.013837インチ=0.35146mmである。日本の正式規格は昭和37年で、JIS規格では1ポイント=0.3514mmとしている。略して、ポ・p・ptなどと記す。
ポストスクリプト(PostScript):
Adobe Systems社開発によるページ記述言語。Forthに似たスタック指向の言語体系で、出力デバイスに依存しない記述ができる。文字と図形を組合せた表現が可能。DTPソフトとして、広く使われている。命令コードはテキストファイルで、PostScriptインタプリンタでプリンタ制御コードに変換して使われている。
ポップ(POP):
ポスターやディスプレイなどによる店頭広告などのツールを指す。ポップアートとまぎらわしいためにピーオーピーと呼ぶ場合もある。販売促進に直結したツールであるためにインパクトが強く、好感度の高いものが要求されそのデザインは平面のみではなく、立体物も多い。
【ま】
マークアップ(Mark up):
マークを付けること。SGMLやHTMLでは、マークアップ言語と言う。
マージン(Margin):
書籍・雑誌などページの版面の周囲の(天地・左右の)余白。マージンの取り方には、経験則から編み出された「アンウインの法則」「モリスの法則」などがある。
Microsoft:
1975年にビル・ゲイツによって設立された世界最大のソフトウェア会社。パソコン用言語であるBASICを開発した後、IBMのパソコン用OSとして開発したMS-DOSが大成功を収めこの業界に確固とした位置を築いた。さらにWindowsは7000万人以上のユーザーがいると言われており事実上の国際標準となっている。CPUメーカーIntelとともに当分同社の業界支配は続くと思われる。現在ゲイツは同社の会長である。
マウント(Mount):
コンピュータからアクセスできるように、ハードディスクやMOなどをソフトウェア的に接続する操作。接続されたメディアがデスクトップ上にアイコン表示される。また、写真ではリバーサルフィルムを保護するためのツール。窓を開けて厚紙でつくられ、窓には透明なフィルムが貼られ、写真が見えないようになっている。
前付け:
書籍の本文の前に付けられる、扉・口絵・序文・凡例・目次などの総称。通常、本文と体裁が異なる。ノンブルは前付きから通す場合と、別のノンブルをつける場合とがある。
前扉:
本製本の表紙・背などの上に箔を乗せ、金版(かなばん)で加熱・加圧して、文字や模様を型押しすること。箔などを乗せずに型だけ押すことを「空押し」と言う。
巻き折:
刷本の折り方のひとつ。前の折り目に対して平行に次の折りを折る方法。平行折りとも言い、小型事典などの薄い紙を使う場合に行われる。
マクロ命令:
電算写植で、データの最初に行う一定のまとまった処理のみ命令。記憶・読み出し・連続出力・データ変換・キー変換などがある。データ制御・ユーザーフォーマット・マクロ定義など、各システムでいろいろな名前がつけられている。
マゼンタ(Magenta):
プロセスカラーのうちの1色で、シアン(C)、イエロー(Y)と共に色の3原色を構成する。Mで表記され、紅色である。
マットコート紙:
表面の光沢を抑える加工をしたコート紙(塗工紙)の一種。
丸漢フォント(Japanese fonts):
Macintoshでビットマップの2バイト系(全角)の文字を表示するためのフォント。書体ごとに別々のファイルになる。
まるゴシック体:
和文ゴシック体の筆端の角を丸くした書体。丸ゴヂ・まるゴシとも言う。
丸背:
本製本の背の様式のひとつ。本の背に丸みをつけた最もスタンダードな上製本。丸みは円周を四等分、あるいは三等分した弧のカーブが標準とされている。丸背・耳付き・ホローバック・溝付き表紙の組み合わせが一般的である。
マルチメディア(Multi Media):
文字・音声・静止画・動画などを自在に取り扱うことを可能にした複合的なメディアである。パッケージソフトとしてCD-ROMが使われ、画像・音声の表現も可能になった。光ファイバーによってデジタル通信網を使ったパーソナルな端末機からの直接利用が可能になり、ネットワークの時代に至ろうとしている。いずれ、新聞、出版など紙のメディアではなく通信で送られることも考えられる。あらゆる従来のメディアは、かつてのコンセプトとは異なり、マルチ思考が求められ、極論すれば、新たなる価値観に基づいた哲学の構築が求められている。
丸表紙:
本製本の表紙の仕立て方のひとつ。平と背を一枚の表装材料で貼ったもの。表装材料としては革・クロス・布・和紙・洋紙など。
【み】
見返し:
本の中身と表紙をつなぐ目的で、表紙の裏側に貼る紙。文用よりも丈夫な紙を使う。前表紙に付ける前見返しと、後表紙に付ける後見返しとがある。二つ折りにした見返し用紙を、前見返しは1折に、後見返しは最終折のノドに貼りつけ、反対側は表紙の裏側に貼りつける。大きい本・重い本では強度不足を解消するために、巻き見返し・継ぎ見返しなどの補強が行われる。
右付き文字:
写植で字面が仮想ボディの右側にかたよって設計されている文字。縦組用の拗・促音・数字など。
右とじ:
右側の閉じられている本。右開き。
ミシン:
伝票類など、紙片を切り離すために入れる点線状の切り込み。製本加工の際に入れるスロットミシン・ラインミシンがある。
ミシンケイ:
破線で出来ている罫。破線罫(—)。
見出し:
新聞・雑誌などの記事の初めに付けられる表題。タイトル。記事の内容を端的に表現し、興味を持たせるように工夫される。書籍では、編・章・節など、大見出し・中見出し・小見出しなどの分類がある。辞書などではテルテイルと言い、それぞれのページに記載されている初めと終わりの項目の3~4文字をページの上方に掲げたものを言う。
見開き:
書籍・雑誌の向かい合った偶数・奇数ページの2ページ分。
見開きページ:
写真やイラストなどが、本を開いた左右のページにわたって印刷されている状態を言う。写真やイラストなどが左右のページに分割されるため、製版・印刷時に位置を合わせ、色再現についても合致させなくてはいけない。尚、「見開き対向」といった場合は、面付けする時に向かい合うページ同士のこと。
明朝体:
和文書体のひとつ。縦線が太く、横線が細く、筆頭・筆端にアクセントがあり、特に終筆に「うろこ」と呼ばれる三角のセリフが付いている。本来は漢字の書体だが、歴史的には、秀栄舎体・築地体と呼ばれる活字が、国内での明朝体の源流である。
【む】
無線とじ:
折丁を接着剤(ホットメルト)だけで結合するとじ方。丁合い後、背の部分を裁ち落とし、その切断面を引っ掻いて粗面とし、接着剤を塗布して接合する方式。電話帳を初めとして大量生産が可能であることから広く使われている。パーフェクト・バインディング。網代とじも無線とじの一種だが、背の部分は裁ち落とさないので混同しないよう注意が必要。
【め】
大扉:
本扉とも言う。タイトルページ。書籍の題名、著者・訳者名、出版社名などを明記し、巻頭に載せる標題紙。
メジウム(Medium):
欧文書体のファミリーで基本となる中間的な太さの書体。スタンダードとも言う。印刷用インキでは、インキの濃度を調整するための助剤である。メデューム。
メモリ(Memory):
コンピュータ本体の中にあり、情報を記憶しておく場所のこと。メインメモリはRAMと言う。「メモリが足りない」と言うときには、RAMの容量が足りない状態を言う。
面付け:
印刷物を折り加工した後、ページ順が正しくなるように、一定の方式にしたがって並べ、版下では面台紙、製版ではフィルム、DTPではデータ上で各ページを並べる。本文縦組と横組では配列方が異なる(本文縦組=地合わせ、横組=天合わせ)。また、折りの方式などによって異なってくるので事前の打ち合わせが必要である。また、刷版では印刷用紙の無駄を省き生産性を向上させるために、同一の版を並べて焼き付けた刷版を作ることがある。この場合、同一の版を四ヶ並べれば四面付けと言うように呼ぶ。
面付け台紙:
面付けを行うための基準となる寸法で作られた台紙。センター、角のトンボやノドなどの線が入れられていて、これに従ってフィルムを貼り込んだり焼きこんだりする。ペラ台紙、2面見開、2面対向、4面、8面などがある。
【も】
モアレ:
モワレとも言い、Moir’eと言う仏語からきている。二つ以上の規則的な線や点の重なりの干渉で生じる幾何学的模様を言う。4色印刷の場合、網点によるモアレを目立たなくするために15°、45°、75°の30°違いにCMBkを配置し、目立たないYを他と15°違いにスクリーン角度をとって製版することが多い。印刷物を原稿にする(刷り物分解)と、モアレが生じやすい。
目次:
書いた物の内容を小分けしたそれぞれの題目を、書かれた順序に配列した見出し。
モジュラー・ジャック(Moduler Jack):
電話機やFAX、モデムを電話回線と接続するための接続口。
モジュレーター:
スキャナの露光光源の光量を目的に応じて変調させる装置をモジュレーター(変調器)と呼ぶ。
モデム(Modem):
パソコンのデジタル信号をアナログ信号に変えて一般の公衆回線で通信をするための装置。エラー訂正機能や圧縮機能を持っており、FAX機能を持つ物もある。モデムの性能は通信速度、エラー訂正や圧縮レベルを表示する。
元原稿(もとげんこう):
生原稿を参照
モニタ(Monitor):
コンピュータの周辺機器で、文字や絵を表示するための装置。ディスプレイとも言う。
問答:
電算写植で、自動改行したあとの次行から、決められた字下げの処理をするコマンド。同行見出しの後、座談会の発言者名の後などの折り返し行の処理の指示に従う。
【や】
約物(やくもの):
句読点・カッコ類など記述記号の総称。参照符・数字記号・化学記号などは、しるし物と言い、区別している。
約物連続調整:
普通の約物は二分で、その前後に二分のスペース(アキ)を抱えている。後に二分のアキを抱えている約物が連続した場合、前の約物とはベタにする(。」)。前の約物が後に二分を抱え、後の約物が前に二分抱えた場合は、二分アキ(」「)とする。
八つ折:
刷本を三回折って、8枚16ページにする標準的なる折り。16ページ折り。
山カッコ:
山パーレンともいう、くくり符のひとつ(<>)。二分物が正しい。数式の不等記号と似ているので注意。
【ゆ】
URL(Uniform Resource Locater):
インターネットに接続されているコンピュータでサービスを受けるために指定する表記。アクセス方法(プロトコル)、ドメイン(コンピュータの名称)を記入しておく。●ドメインを参照。
USBトークン:
ICカード同様CPUとメモリーを内蔵し、USBインターフェースを持つキーホルダー状の機器
【よ】
拗音(ようおん):
一音節で、キャ・しゅ・ニョなどのように、ャ・ゅ・ョなどを添えて小さく書き表されるもの。
要再校:
二回目の校正を行なう時に使われる。二校、再校。初校正で赤字が多い時に、確認のために行なわれる場合が多い。
抑揚符:
感嘆符(!)、疑問符(?)のこと。
横組:
左から右へ水平に読めるように、文章を組むこと。もともと欧文の組方である。国内での左横書きが一般的になったのは、昭和27年政府による公文書作成横書き促進通達からで、戦前の横書きは佐藤紅緑の小説にも見られるように、左横書きは国賊扱いされた。
余白:
書籍・雑誌などのページ面で、印刷された面(版面)を除く、天・地・ノド・小口の白い空白部分。マージン。